税法・財政法試験問題集・その26

 

西南学院大学法学部・税法(集中講義)2009年度「週末課題」〔2009年9月4日出題〕

 

  ●次の各設問に答えなさい。全問必答です。

  (1)給与所得については、原則として、必要経費(実額控除)が認められず、法定の概算控除としての給与所得控除のみが認められる(所得税法第28条第2項)。特定支出控除の適用を考えないとして、必要経費が認められないことについて、判例や学説に留意しつつ、考えを述べなさい。なお、大島サラリーマン税金訴訟最高裁判決の論旨を十分に踏まえること。

  なお、いかなるものがサラリーマンの必要経費と考えられるか、自分でよく考えて例を設定し、論述の中で記すこと(自分自身の例、親族の例など、身近な例を利用するとよい)。

  (2)Aの課税総所得金額は190万円であり、Bの課税総所得金額は400万円である。

  所得税法第89条を参照して、次の設問に答えなさい。

  ア.この条文は超過累進税率を規定する。条文に忠実に従い、税額を算出しなさい。なお、簡易計算法は使用しないこと(使用した場合は5割減点とする)。

  イ.何故、所得税法第89条は単純累進税率を採用しないのか。

  (3)所得税法第56条は、弁護士夫婦事件、弁護士・税理士夫婦事件のようなものについて適用されるべきなのであろうかについて論じなさい。

 

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