税法・財政法試験問題集・その30

 

大東文化大学法学部法律学科・税法(講義)2010年度前期本試験問題〔2010年7月29日出題〕

 

●次の中から1問だけを選択し、解答しなさい。

  1.租税法律主義について、憲法上の根拠をあげ、判例や学説の動向に留意しつつ、論じなさい。

  2.板橋区高島平一丁目に本店を有するXは株式会社であり、JCAという名称で各種資格試験受験のための予備校として教育業を営んでいる。平成12年、Xは高坂駅西口にJCA高坂校を設置するために土地と建物を購入した。この土地および建物について、東松山市長はXが学校法人であると誤認し、地方税法第348条第2項第9号によって非課税である旨をXに通知した。XはJCA高坂校をオープンさせ、この土地および建物について固定資産税を納めないまま経営を続けた。ところが、平成21年になって、東松山市課税課が調査を行ったところ、先の非課税扱いが誤りであったことが判明した。そのため、東松山市長は、地方税法第18条に従って平成17年度から平成21年度までの5年度分について固定資産税の賦課決定の各処分を行った。Xは各処分の取消を求め、東松山市長への不服申立てを経て出訴した。

  この事件について、Xの主張は認められるべきか。判例、学説に照らしつつ、論じなさい。

  3.暴力団員のMは、自分が経営する池袋の喫茶店で、5年ほど前から同店で大相撲賭博を行っていた。Mは胴元(親)として、賭博で集めた金の25%をいわゆる寺銭として確実に収入とすることができる(平成21年度で約2億円であったという)。さて、Mの利得のうち、大相撲賭博の胴元として得られた利得は、(1)そもそも所得税が課されるべきものであるものなのか、(2)所得税が課されるべきものであるとすれば何所得として扱われるべきであるか。判例、学説に照らしつつ、論じなさい。

 

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