税法・財政法試験問題集・その59
大東文化大学法学部・税法後期末試験問題〔2015年1月26日出題〕
●次の中から1問だけを選択し、解答しなさい。なお、条文については別紙を参照すること。
T 給与所得について、事業所得との違い(例をあげること)、および給与所得の問題点について、学説や判例の動向に留意しつつ、論じなさい。
U A(男)とB(女)は夫婦であったが、Aの不倫が原因で離婚することとなった。この離婚は家庭裁判所の調停によりなされたものであり、その調停の条項に従って、Aは自らが所有する土地および家屋をBに譲渡し、登記の名義もAからBに変更した。
この事例について、Aにはいかなる納税義務が発生するか(あるいは、全く発生しないのか)。土地および家屋の譲渡が慰謝料としてなされた場合、財産分与としてなされた場合のそれぞれについて、学説や判例の動向に留意しつつ、論じなさい。
V 給与所得者Cが100万円で自家用車を購入し、これを通勤や外回り営業などに使用していたとする。或る日、Cは交通事故を起こし、自家用車を大破させた。修理するにも莫大な費用がかかるため、廃車することとして、手続を済ませ、この自家用車を解体業者に5000円で売却した。交通事故の日の時点におけるこの自動車の(事故が起きなかった場合の)評価額は40万円であり、Cは評価損39万5000円を給与所得と損益通算し、その旨を確定申告したが、税務署長はこの確定申告を認めなかった。
何故、税務署長はCの確定申告を認めなかったのか。また、この判断は妥当であろうか。判例、学説に注意しつつ、論じなさい。
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