税法・財政法試験問題集・その86 解説など

 

 

 

 〔設問1〕合計課税価格は1億8000万円である。

 基礎控除の額は5400万円である(∵3000万円+4×600万円=5400万円)。

 従って、課税遺産額は1億2600億円である。

 〔設問2〕課税遺産額を算出した後、一旦、法定相続人の全員が法定相続分に基づいて遺産を承継したものと仮定し(本問の場合は全員が法定相続人であるが)、相続税額を計算する。

 まず、Bの仮の相続税額を算出する。Bの法定相続分は2分の1であるから、

 1億2600万円÷2=6300万円

 これに相続税法第16条の税率を適用するので、

 6300万円×0.3700万円=1190万円

 次に、Cの仮の相続税額を算出する。C、DおよびEは実子であり、この3人の合計の相続分は2分の1であり、3人の法定相続分は平等であるから、Cの法定相続分は6分の1となる。従って、

 1億2600億円÷2÷3=1億2600億円÷6=2100万円

 これに相続税法第16条の税率を適用するので、

 2100万円×0.1550万円=265万円

 D、Eの仮の相続税額もCと同額である。

 以上から、相続税の総額は、1190万円+3×265万円=1985万円

 〔設問3〕相続税の総額が算出されたので、この総額を実際の承継分で按分することとなる。

 B:1985万円×3000万円/1億8000万円=1985万円×1/6≒3308333

 1000円未満を切り捨てるので3308333円となるが、実際には配偶者軽減控除(相続税法第19条の2)が適用されるので、実際にはBは相続税を納める必要がない

 C:1985万円×5000万円/1億8000万円≒5513888

 1000円未満を切り捨てるので5513000となる。

 D:1985万円×4000万円/1億8000万円≒4411111

 1000円未満を切り捨てるので4411000となる。

 E:1985万円×6000万円/1億8000万円=1985万円×1/3≒6116666

 1000円未満を切り捨てるので6116000となる。

 

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