行政法試験問題集・その2

 

  大分大学教育福祉科学部・行政法1999年度期末試験問題〔1999年9月実施〕

 

注意:

T  判例・解説の付かない六法のみ参照可。

U  六法に書き込みのある場合は参照不可。

V  全問必答。正しいと思われる選択肢に○を記すこと。

W  正解を知りたい方は、9月16日以降に、私の研究室においで下さい(特に公務員志望、または選択肢の一つに入っているという方。今回の試験問題の中には、国家T種、国家U種、地方上級の問題も含まれています)。

  

01.行政の意義に関する次の記述のうち、誤っているのはどれか。

  a.日本国憲法には行政に関する規定が存在するが、ここにいう行政は形式的意味の行政である。

  b.大日本帝国憲法においても、三権分立の原則が採られていた。

  c.日本の学説において、実質的意味の行政については積極説が多数説である。

  d.行政は多様性を有するが、その活動内容を考えると、規制行政(侵害行政)と給付行政に大別することが可能である。

  e.大分大学のような国立大学の活動は、形式的意味においても実質的意味においても行政である。

 

02.公法・私法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  a.公法・私法の二分論については、実益などの観点から批判が寄せられている。

  b.日本の行政法学においては、ドイツの行政法学の影響を受け、公法・私法の分類について権力説が比較的多数説である。

  c.行政法は公法であるが、このことは、行政の活動について私法が全く適用されないということを意味しない。

  d.租税滞納処分は典型的な権力関係であるが、これについて、判例は、私法の代表たる民法の規定(第177条)の適用を認める。

  e.公営住宅の利用関係は、基本的に民事法上の賃貸借関係と同様であるから、判例は、公営住宅使用の相続を認めている。

 

03.法治主義(法律による行政の原理)に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

  a.日本国憲法の下における法治主義(法律による行政の原理)によれば、公権力によって国民の権利・自由を制約する場合には、必ず法律の根拠を要するが、その根拠があれば、国民の権利・自由をどのように制約してもよい。

  b.行政が何らかの活動を行う際に、その活動を行う権限が法律によって行政機関に与えられなければならないという原則は、活動内容の如何を問わず妥当するというのが、判例・多数説である。

  c.行政組織法の根拠は、全行政領域に要求される。

  d.侵害留保説とは、国民の権利・自由を制約する行政活動については必ず法律の根拠を要するという説である。

  e.侵害留保説を採りつつ、法律の根拠を必要とする範囲を拡大することは、学説において、望ましくないこととされている。

 

04〔この問題のみ、都合により、10月になってから公開いたします。〕

 

05.次のうち、特別権力関係と考えられなかったものはどれか。

  a.公務員の勤務関係

  b.国公立大学の在学関係

  c.在監関係

  d.租税関係

  e.伝染病患者の国公立病院の在院関係

 

06.法律と条例に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  a.一般的に、法(成文法)の序列は、上から憲法・法律・法規命令・条例の順であるから、条例が国の法令に違反することは認められない。

  b.判例・通説によれば、憲法は、条例に罰則規定を設けること、および財産権に対する規制を内容とする規定を設けることを禁止している。

  c.国の法令が全く規制していない分野について条例を制定することは認められているし、国の法令が規制をする分野であっても、規制の目的が異なるのであれば、条例を制定することが認められる。

  d.条例中に、国の法令と同じ領域に同じ目的で、法令よりも厳しい規制を設けうるか否かという問題につき、現在では、条例において法令よりも厳しい規制基準を設けることを法律がとくに禁止していないのであれば適法であるという解釈が一般的になりつつある。

  e.地方分権改革の進展によって廃止されることになった従来の機関委任事務について、地方公共団体の議会が条例を定めることはできない。

 

07.行政機関に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

  a.国および普通地方公共団体などの行政主体は法人格を有する。このため、行政機関にも法人格が認められるというのが判例・通説である。

  b.行政庁とは、行政主体の法律上の意思を決定し外部に表示する機関であり、各省大臣、都道府県知事、市町村長などがこれにあたる。

  c.諮問機関とは、行政長から諮問を受け、答申をする行政機関であり、答申は法的に行政庁を拘束する。

  d.国の全ての行政機関は、内閣の統括下に置かれなければならないから、日本国憲法の下において、内閣の統括下にない行政機関は存在しない。

  e.内閣の下に府・省が置かれるが、唯一の府である総理府の長は内閣総理大臣であるから、総理府は法務省や大蔵省などの各省よりも上の地位にある。

 

08.金融再生委員会は、次の各省のうち、どの省の外局か。

  a.大蔵省

  b.総理府

  c.通商産業省

  d.法務省

  e.郵政省

 

09.公務員の地位等に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  a.国家賠償法第1条により、国(または地方公共団体)が賠償をしたとき、公務員に故意または重大な過失があっても、公務員個人は、当該私人(被害者)に対して、責任を負わない。

  b.非現業の公務員が、勤務時間外に、公の施設を使わずに、或る政党のために政治活動をすることは、公務員も国民として政治活動の自由を保障されていることから、許される。

  c.公務員も労働者であることに変わりはないが、国家公務員法などにより、一律的かつ全面的に、争議権が否定される。現在の判例は、こうした人権の制約が憲法第28条に違反しないとしている。

  d.公務員は守秘義務を課されるが、この義務は、退職後も課される。

  e.大分市 議会議員の甲が議会出席停止処分を受けた。この処分は司法審査の対象外である。

 

10.行政裁量に関する次の説明のうち、誤っているものはどれか。

  a.裁量とは、例えば、Xという事実が存在し、それに対する適法な法的効果がA、B、Cがあるとすれば、行政庁がどの法的効果を選ぶかについて判断の余地を与えられるという状態のことである。

  b.原子炉施設設置許可処分について、判例は、実質的に内閣総理大臣の裁量権(要件裁量)を認めている。

  c.行政庁の政治的・政策的事項に属する判断や高度の専門的・技術的な知識に基づく判断は、それを誤ったとしても当不当の問題にすぎないから、いかなる場合であっても裁判所の審査の対象とはなりえない。

  d.外国人の在留許可に関して、法務大臣には要件裁量および効果裁量が認められる。

  e.在日外国人に対する法務大臣の特別許可拒否処分について、その在日外国人が日本において築き上げた生活を奪うことになり、妻子の生存にも重大な影響を与える場合には、裁量権の逸脱・濫用があるとして違法と判断した判例がある。

 

11.行政行為に関する次の説明のうち、誤っているものはどれか。

  a.行政行為とは、法律(法令)に基づき、優越的な意思の発動または公権力の行使として、国民に対して具体的な事実について直接的に法的な効果を生じさせる行為である。

  b.国有財産を管理する大蔵大臣が、大分県内にある国有財産を払い下げた。これは行政行為ではない。

  c.運賃・料金の認可は講学上の認可であるから、この認可を受けないで行われた運賃・料金の改定は、原則として無効である。

  d.Aは、大分駅前から大分大学構内まで、Bが運転する白タク(許可を受けないで営業をするタクシー)に乗り、Bから5万円という不当に高い料金を請求された。この場合、Aは、Bが営業許可を受けていないことを理由として、料金の支払いを拒むことができる。

  e.行政行為の附款のうち、講学上の条件は、行政行為の効力の発生または消滅を、将来発生することの不確実な事実の発生にかからしめるものをいう。これに対し、負担は、主たる行政行為の相手方に何らかの義務付けを行うものをいい、主たる行政行為の効力と負担の効力は同時に発生する。

 

12.行政行為の効力に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

   a.行政行為には公定力があるから、行政行為が違法であったとしても、無効である場合を除き、取消権限のある者によって取り消されるまで、何人もその効力を否定できない。

  b.公定力の法的根拠は、行政事件訴訟法における取消訴訟制度である。

  c.違法な行政行為によって私人が損害を受けた場合であっても、その行政行為が無効でなければ公定力があるから、損害を受けた私人は、先に取消訴訟を提起して行政行為の取消判決を得なければ、国家賠償請求訴訟を提起することはできない。

  d.行政行為が無効でない限り、行政行為には不可争力があるから、一定の期間を経過すると、詩人の側から行政行為の効力を争うことができなくなる。

  e.裁決など一定の行政行為は、一度行政庁がなすと、行政庁自身も変更できない。

 

13.行政行為の無効と取消に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

  a.公益に適合しない不当な行政行為も瑕疵ある行政行為であり、その不当性が重大である場合にやはり無効な行政行為となる。

  b.無効な行政行為であっても、私人がむやみにこれを否定することは法的安定性の見地から許されず、裁判所または権限ある行政庁の確認があるまでは公定力が認められることは、判例・通説により広く承認されている。

c.違法な行政行為は無効であり、違法ではないが公益に反する不当な行政行為は取り消し得べきであり、ここに法適合性と公益適合性との区別を行う実益が存する。

d.行政行為の取消が国民の既得の権利を侵害する場合は、その取消は、そのような法的安定性をくつがえす正当な公益上の必要があるばあいであって、しかもその目的に必要な限度においてのみ許容されるとするのが一般的見解である。

  e.違法な行政行為は取り消されるべきであり、不当な行政行為は撤回されるべきである。

 

14.行政行為の職権取消と撤回に関する記述のうち、誤っているものはどれか。

  a.職権取消にはとくに法律の根拠を必要としないとするのが通説である。

  b.職権取消は違法な行政行為の効力を失わせることであるから、必ず遡及効が伴う。

  c.撤回は、成立時に適法であった行政効力の効力を失わせるものである。

  d.撤回についてもとくに法律の根拠を必要としないとするのが判例・通説である。

  e.撤回は、原則として遡及効が伴わない。

 

15.行政立法に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  a.法規命令には政令・省令が該当するが、政令・省令には、法律の委任がなくとも、国民に義務を課したり権利を制約する規定を設けることができる。

  b.人事院規則14-7は国家公務員法第102条を受けた委任命令であるが、法律の授権が包括的にすぎる、あるいは白紙委任であるという批判が強い。

  c.訓令・通達は、行政規則の一種として、行政内部において拘束力をもつが、私人の権利義務に直接関係しないものとされている。

  d.違法な通達が発せられ、そのため、国民に事実上の不利益な効果が及んでも、通達そのものを取消訴訟において争うことができないとするのが判例である。

  e.学習指導要領は告示の形式を採っているが、文部省は、学習指導要領に法的拘束力があると主張しており、判例もこれを認めている。

 

16.行政指導に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

  a.行政指導の法的根拠は行政手続法第32条である。

  b.行政指導のうち、例えば宅地開発要綱に行政指導の基準が定められ、相手方が従わない場合には何らかの対応措置を予定しているようなものは、法的行為である。

  c.大分市 は、行政指導に従わない意思を明確にしている建築業者が求めるマンションの建築確認を留保した。判例によれば、行政指導に従わないことを理由としてこのような留保を行うことは違法である。

  d.違法な行政指導を取消訴訟によって争いうるとするのが判例・通説である。

  e.業界団体が官庁の行政指導を受けて闇カルテルを結んだ。この場合、行政指導によって闇カルテルの違法性は阻却される。

 

17.国家賠償法第1条に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

  a.違法な行政指導によって損害を被った場合、国家賠償を請求することはできないとするのが、判例・通説である。

  b.大分県警の警察官が、非番の日に、制服を着用し、拳銃を携帯して、職務質問と称して一般市民を裏路地に誘い込み、金品を強奪しようとした。この場合、警察官の行為は国家賠償法第1条にいう「職務」に該当せず、従って、判例によれば、大分県は損害賠償責任を負わない。

  c.一般論として、立法権の活動や司法権の活動も、国家賠償法第1条の適用範囲であるが、具体的な事件を処理する際に、判例は、国家賠償法第1条を適用して立法権の活動または司法権の活動を違法と判断することに慎重な態度をとっている。

  d.「公権力の行使に当る公務員」が他人に損害を加えたという事実があれば、その公務員に故意も過失もない場合であっても「国又は公共団体」は賠償責任を負う。

  e.酩酊して酒場Aに入り、ナイフを振り回したBが大分県警の警察官に引き渡された。しかし、警察官は、このナイフを領地・保管しないでBを帰宅させた。Bは再び酒場に戻り、ナイフでAの店長を刺した。この場合、判例によれば、大分県は損害賠償を負わない。

 

18.国家賠償法第2条に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  a.この規定にいう「公の営造物」は、民法第717条にいう「土地ノ工作物」と同義である。

b.この規定にいう「公の営造物又は管理」の「瑕疵」は、「営造物」が本来備えなければならない安全性を欠いていることをいい、安全性とは「営造物」の利用者に対する安全性をいう。従って、公共性の高い空港が原因の騒音などについて、近隣住民は空港の利用者ではないから、空港の設置者は近隣住民に対して国家賠償法による責任を負わない。

c.急カーブで見通しのきかない国道上に大型トラックが数日間停車していた。制限速度を若干超過してこの国道を走っていたオートバイが、トラックを避けて通ろうとしたところ、対向車と正面衝突した。この場合、判例によれば、オートバイの運転者のほうに問題があるのであって国道の管理者に問題はないから、国は損害賠償責任を負わない。

d.折衷説を採る判例によれば、国道で山崩れなどによって自動車の通行に危険が生じることを的確に予想せず、通行止などの措置をとらなかったために事故が発生したという場合、国道を管理する国に損害賠償責任が生ずることになる。

e.改修中の河川が氾濫し、水害が生じた。判例によれば、この場合、問題の箇所について改修が行われていないことは河川管理に瑕疵があることを意味する。

 

19.損失補償に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  a.損失補償制度とは、行政主体の適法行為による国民・住民の私有財産の侵害が法律上認められる場合に生ずる損失を補償する制度である。

  b.但し、租税や負担金などのような場合は損失補償が認められず、財産権の侵害が私人に「特別の犠牲」をもたらす場合でなければならない。

  c.法律によって損失補償が規定されていない場合には、憲法第29条第3項に基づいて損失補償を請求しうるとするのが判例・通説である。

  d.判例は、憲法第29条第3項にいう「正当な補償」について相当補償説をとっているから、例えば、土地収用に際して土地の客観的価値全額を補償する必要はない。

  e.予防接種法改正以前に行われた強制的な予防接種自体は適法だがそれによって死亡するという違法な結果が生じた場合、国家賠償により救済するという考え方と損失補償により救済するという考え方とが成り立ちうる(厳密にはどちらの制度によってもカバーされにくいが)。

 

20.行政不服審査制度に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。

  a.行政不服審査制度において対象とされる行政庁の処分とは、行政庁が優越的な地位において公権力の発動として公法的規律をする行為のうち、法律行為的行政行為のことである。

  b.行政庁の処分についてそれが違法または不当であるか否の第一次的判断権は行政庁に委ねられているから、原則として行政庁に対する不服申立てによる裁決を経なければ行政事件訴訟を提起することができない。

  c.行政事件訴訟制度と異なり、行政不服審査制度においては、裁量行為に関して裁量権行使に逸脱・濫用がなくとも、裁量権行使の是非を巡って争うことができる。

  d.行政不服審査制度において、異議申立てとは、行政庁の処分または不作為について、処分をした行政庁または不作為に係る行政庁以外の行政庁に対してするものである。

  e.審査請求(再審査請求)に対する判断行為を決定といい、異議申立てに対する判断行為を裁決という。

 

21.行政事件訴訟制度一般に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

  a.原則として、行政庁を被告とする訴訟は、原告の住所地の裁判所に提起しなければならない。

  b.行政が一当事者となる訴訟については、全て行政事件訴訟法が適用される。

  c.行政事件訴訟法第3条は、抗告訴訟として四つの類型を規定しており、これ以外の類型を許容していない。

  d.日本国憲法の下で、行政事件訴訟を扱う裁判所は、必ずしも最高裁判所の系列に属するものでなくともよい。

  e.行政事件訴訟法第2条に規定される行政事件訴訟の類型のうち、民衆訴訟および機関訴訟は、裁判所法第3条にいう「法律上の争訟」に該当せず、とくに法律に定められた場合に、法律で定められた者に限って提起することができる。

 

22.次のうち、最高裁判所の判例によれば、取消訴訟の対象となるものはどれか。

  a.土地区画整理事業

  b.日本鉄道建設公団に対して運輸大臣が与えた認可

  c.議会に対するごみ焼却場設置計画案の提出

  d.マンションを建築しようとした業者に対して市長が与えた開発許可

  e.通達

 

23.取消訴訟の原告適格に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  a.一般に、不利益処分を受けた当事者は、取消訴訟の原告適格を有するし、不利益処分についての実質的な当事者も、取消訴訟の原告適格を有する。従って、教科書検定については、教科書出版者のみならず、問題となっている教科書の執筆者も原告適格を認められる。

  b.判例によれば、原子力発電所の近隣に居住する者は、その原子力発電所からの距離にもよるが、内閣総理大臣が動燃に対して与えた原子炉設置許可処分の取消を求める原告適格を認められる。

  c.判例によれば、質屋営業法は既存業者の権益保護を目的とするから、既存の質屋は、新規の質屋の営業許可を争う原告適格を認められる。

  d.判例によれば、不当表示防止法は公益の保護を目的とするにすぎないから、消費者団体は、飲料水の不当表示を争う原告適格を認められない。

  e.判例によれば、空港の周辺に居住し、航空機による騒音によって健康や生活などにおける利益を侵害された者は、運輸大臣が航空会社に対して与えた定期航空運送事業免許の取消を求める原告適格を認められる。

 

24.取消訴訟の訴えの利益(広義)に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。

  a.判例・通説のとる立場は「法の保護する利益説」である。

  b.「法の保護する利益説」は、行政事件訴訟法第9条にいう「法律上の利益」を実定法の保護している利益と解するから、処分の根拠となる実定法の趣旨・目的の解釈によって原告適格などの有無を判断する、というものである。

  c.「保護に値する利益説」は、違法な行政処分によって原告が受けた実生活上の不利益が、その処分の根拠となる実定法による保護に値するか否かによって原告適格などの有無を判断する、というものである。

d.「保護に値する利益説」によれば、既存の質屋が新規の質屋の営業許可を争う原告適格を認められるか否かは、新規の質屋の営業許可によって実際に被害を受けるか、被害を裁判で保護するに値するか否か、などの視点に従うことになる。

  e.近年、「法の保護する利益説」は、処分の根拠法条のみならず、当該法律の目的、関連する法令などを考慮に入れて法の趣旨を解釈する傾向にある。

  

25.取消訴訟の訴えの利益(狭義)に関する次の記述のうち、妥当なものはどれか。

a.判例によれば、保安林指定解除処分を争っている間に代替施設(ダム)が完成したら、もはや原告の訴えの利益(狭義)は消滅する。

b.家屋の撤去命令に対して訴訟が提起されたが、係争中に家屋が撤去された。この場合、撤去命令の取消を求める原告の訴えの利益(狭義)は存続する。

c.原告が建築確認の取消訴訟を提起した時点において、その建築確認を得た建物が既に完成していた。判例によれば、この場合、原告の訴えの利益は認められる。

d.大分市 議会から除名処分を受けた議員が除名処分の取消を求めて訴訟を提起したが、係争中に議員の任期が満了した。判例によれば、この場合、この議員は議員としての身分を回復できないから、訴えの利益(狭義)は消滅する。

  e.自動車運転免許の停止処分を受けた原告は、名誉や信頼など社会生活上の不利益を受けると主張している。この場合、こうした名誉や信頼などは、判例によれば「法律上の利益」にあたる。

 

正答(解説は省略)

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