行政法試験問題集・その24
大東文化大学法学部法律学科「行政法1」2008年度後期末試験問題〔2009年1月22日出題〕
●次のうちのいずれか1問だけを選択し、解答しなさい。
T 行政行為の職権取消について、判例や学説の動向に留意しつつ、論じなさい。なお、必ず、撤回との違いについて述べること。
U 大都市圏内にあるY市は人口急増地帯であるが、地形の関係により、水道の水源を新たに確保することが難しいという状況にある。このため、同市は給水規則を改正し、一定の戸数を超える共同住宅などについては給水を拒否するというような規定を置いた。不動産会社のXはY市内にマンションの建設を計画し、約500戸分の給水契約を申し込んだが、Y市はこの契約の締結を拒否した。そこで、Xは、この給水拒否が水道法第15条第1項にいう「正当の理由」に該当しないとして出訴した。
さて、Xの請求は認められるべきか。判例、学説の動向に留意しつつ、論じなさい。
参照条文 水道法第15条第1項:水道事業者は、事業計画に定める給水区域内の需要者から給水契約の申込みを受けたときは、正当の理由がなければ、これを拒んではならない。
V Yは自転車販売業を営んでおり、平成20年3月上旬に所得税確定申告を済ませた。川越税務署長は、この申告について過少申告の疑いを抱いたので、所得税法第234条第1項に基づき、職員を派遣し、Yの帳簿書類などを検査しようとしたが、Yは職員の肩を押すなどして店への立ち入りおよび検査を拒んだ。そのため、Yは所得税法第242条第9号に規定される検査拒否罪で起訴された。これに対し、Yは第234条第1項が憲法に違反するなどとして無罪を主張している。
さて、Yの主張は認められるべきか。判例、学説の動向に留意しつつ、論じなさい。
W 要件裁量および効果裁量について、学説や判例の動向に留意しつつ、論じなさい。
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