行政法試験問題集・その27

 

国学院大学法学部「行政法T」2009年度期末試験問題〔2010年1月22日出題〕

 

●次のT〜Vから1つだけを選択し、解答しなさい。

  T.甲は旧司法試験を受け続けているが、今年(2009年)も残念ながら択一試験(短答式試験問題)の段階で落ちてしまった。そこで、法務省に対し、甲が受験を始めた2005年から2009年までの択一試験の問題と解答の開示を請求した(なお、実際には択一試験の問題が公開されています。念のため)。これに対し、法務省は不開示決定処分を出した。そこで、甲は開示が妥当であるとして不開示決定処分の取消を求めて出訴した。この事案で、法務省は行政機関の保有する情報の公開に関する法律第5条のどの号に該当するとして不開示決定処分を出したと考えるべきか。また、この不開示決定処分は妥当か。判例、学説の動向に照らしつつ、論じなさい。

  U.Aは、インドネシアに滞在するため、外務大臣に対して一般旅券の発給を申請した。これに対し、外務大臣は発給拒否処分を行った。その際、外務大臣は旅券法第14条に従い、発給拒否処分に理由を付記したのであるが、そこにはただ「旅券法第13条第1項第7号に該当する」としか書かれていなかった。Aは外務大臣に対する異議申立てを行ったが棄却されたので、Aは発給拒否処分の取消を求めて出訴した。Aの請求は認められるべきか。学説、判例に照らしつつ、論じなさい。

  V.Xは国家公務員であった。或る日、Xは恵比寿で酒を飲み、恵比寿駅で駅員のBに因縁をつけて口論をしたあげく、激しく殴打してBを線路に落として重傷を負わせた。このため、Xは懲戒免職処分を受けた。この事例を基にして、判例、学説の動向に照らしつつ、要件裁量、効果裁量について論じなさい。

 

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