行政法試験問題集・その34
大東文化大学法学部「行政法1」2011年度後期追試験問題〔2012年2月10日出題〕
●次の中から1問だけを選択し、解答しなさい。
T 要件裁量と効果裁量につき、判例、学説の動向に留意しつつ、論じなさい。なお、少なくとも一つ、事例をあげて説明すること。
U 水道法第15条第1項は「水道事業者は、事業計画に定める給水区域内の需要者から給水契約の申込みを受けたときは、正当の理由がなければ、これを拒んではならない。」と定めている。この「正当の理由」とはいかなる場合を指すのか。判例、学説の動向に照らしつつ、論じなさい。
埼玉県内のA橋では、とくに忘年会シーズンになると飲酒運転をする者が多く、それが原因の交通事故も多発している。そこで、県警はA橋で交通違反取締りを目的とする自動車検問を行った。運転手Xは、警察官の合図に従って車を停止させた。その際、Xは運転免許証を警察官に呈示したが、酒の臭いがするので警察官はXに降車を求め、交番にXを同行させたところ、飲酒検知によってXが酒気帯び運転を行っていたことがわかり、Xは検挙された。これに対し、Xは、この検問が何の法的根拠もなく行われた違法なものであるから、飲酒検知によって得られた証拠は証拠能力を欠いている、などとして無罪を主張している。さて、この事件について、Xの主張は認められるべきであろうか。判例、学説の動向に留意しつつ、論じなさい。
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