行政法試験問題集・その35

 

国学院大学法学部「行政法T」2012年度夏季休暇課題〔2012年7月14日出題〕

 

  次の事例を読み、後の全ての設問に答え、論じてください。

  Aは東京都立某高等学校で公民(現代社会、倫理、政治・経済)の授業を担当する教諭である。かねてから格差社会論に関心を持ち、自らも研究や社会活動を行っているAは、授業の際に教科書を全く使用せず、自ら書いた論文や新聞記事のコピーなどを集めたプリントを配布して、その内容のみを扱っており、現代の民主政治、現代の経済社会など、高等学校学習指導要領に示されている各教科の基本項目を全く扱わなかった。また、Aは考査(試験など)を全く行わなかった。東京都教育委員会は、Aのこれらの行為が学習指導要領などに違反するとして、Aを懲戒免職処分とした。これに対し、Aはこの処分の取消を求めて出訴した。

  設問1  高等学校学習指導要領(文部科学省のサイトで見ることができる)を参照し、(高等学校学習指導要領をはじめとする)学習指導要領がいかなる形式で定められているかを記しなさい。

  設問2  学習指導要領は、いかなる法(成文法)を根拠に定められるものとされているか。法の名称と条文をあげなさい。なお、法は法律とは限りません。

  設問3  学習指導要領は、設問1で答えられた形式によるものであるが、いかなる法的性質を有するものとされているか。行政実務、判例を参照しつつ、論じなさい。なお、判例については、判決の年月日、裁判所名、判決掲載誌を明示すること(例、最判平成2年2月1日民集44巻2号369頁←この判決は無関係。ただの表記の例)。

  設問4  設問3で取り上げた判決や学説などを参照し、学習指導要領の法的性質について、あなたの見解を論理的に述べなさい。

  ●字数・枚数:設問3と設問4とを合わせて2000字以上とします(設問ごとの字数制限は設けません。また、設問1および設問2は字数制限の対象外です)。次の点に注意してください。

  @パソコン、ワープロでレポートを作成する際には、A4の用紙を使用してください。また、1行あたりの字数と1頁あたりの行数を明示してください。

  Aパソコン、ワープロを使用しない場合には、必ず原稿用紙を使用してください。ルーズリーフ、レポート用紙などを使用した場合には採点しません。また、万年筆かボールペンで記すこと。

  B参考文献を明示してください。ここで、参考文献とは、教科書(講義の教科書だけでは不十分です)、論文集、法律雑誌掲載の論文をいいます。六法などの法令集、辞書、判例集などは参考文献にならないので注意してください(参考文献として記されている場合は、論述の展開に関連する必然性があると認められない限りにおいて減点します)。また、文献の数も評価の対象となります。

  なお、上記の文部科学省のサイトを除いて、ホームページ(各種サイト)の参照は避けてください。

  ●提出方法

  @原則としてK-SMAPYによります。10月6日(土)の2200分を締め切りとします。

  A但し、この機能を使えない場合には、10月6日の講義の際に提出していただきます。教卓の上に置いてください。

  Bレポートの提出がない場合には、単位の認定をしません。また、教科書や参考文献、さらにホームページなどの丸写しなどで終わっているものは未提出とみなします。

  自分の力で考え、表現してみましょう。

 

 

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