行政法試験問題集・その40

 

国学院大学法学部「行政法T」2013年度夏季休暇課題〔2013年7月19日出題〕

 

 

 次の事例を読み、後の全ての設問に答え、論じてください。

 Y市は、倉庫業を営んでいるX社が所有する倉庫のうちの二軒(以下、本件倉庫)について、平成6年度より次のように評価し、X社に対して固定資産税等納税通知書を送り、固定資産税および都市計画税(以下、固定資産税等)を課した。

 ・本件倉庫のいずれも、地方税法第388条第1項所定の固定資産の「評価基準」における非木造家屋に該当する。

 ・本件倉庫のいずれも、用途が「倉庫」、構造別区分が「鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄筋コンクリート造」である。

 ・本件倉庫のいずれも、固定資産評価基準別表第13非木造家屋経年減点補正率基準表中の「7  工場、倉庫、発電所、停車場及び車庫中建物」のうちの「(1)一般倉庫用のもの」に該当する。

 X社は、Y市の評価および計算に従い、平成6年度から今年まで固定資産税等を納めてきた。

 ところが、今年の7月某日、Y市の職員が再調査したところ、本件倉庫が一般倉庫ではなく冷凍倉庫であることが判明した。そこで、同職員は「(2)塩素、塩酸、硫酸、硝酸その他の著しい腐食性を有する液体又は気体の影響を直接全面的に受けるもの、冷凍倉庫用のもの及び放射線同位元素の放射線を直接受けるもの」という基準が適用されるとして、地方税法第417条に基づき、平成25年7月12日付で、平成21年度から平成25年度までの各年度分の固定資産課税台帳に登録された評価を減額修正し、その旨をX社に通知した。この際、同職員は、平成20年度以前の固定資産税等に係る賦課決定については同法第17条の5第5項によって期間制限を受けるために修正できないこと、過納金については根拠規定を欠くので返還できないという旨も通知した。

 また、同職員は、平成25年7月19日付でX社に対し、平成21年度ないし平成25年度までの固定資産税について生じた過納金を還付加算金とともに還付した。

 設問1  Y市は固定資産税等納税通知書を送付することにより、X社に固定資産税等を課する処分を行ってきた訳であるが、本件では行政行為のいかなる効力が問題となっているのか。また、その効力は、学説や判例においていかなるものと説明されているか。

 設問2  本件について、X社はY市を被告として、平成6年度から平成20年度までの過納金相当額の支払を求める国家賠償請求訴訟を提起しようと考えている。行政行為の取消を求める訴訟は提起しないものとして、国家賠償請求訴訟の提起を肯定する見解の論拠はいかなるものであるか。

 設問3  逆に、本件について、国家賠償請求訴訟の提起を否定する見解の論拠はいかなるものであるか。

 設問4  判決や学説などを参照し、本件について国家賠償請求訴訟の提起は認められるべきであるか否かに関し、あなたの見解を論理的に述べなさい。

 ●字数・枚数:全ての設問を合わせて2000字以上とします(設問ごとの字数制限は設けません)。次の点に注意してください。

 @パソコン、ワープロでレポートを作成する際には、A4の用紙を使用してください。また、1行あたりの字数と1頁あたりの行数を明示してください。

 Aパソコン、ワープロを使用しない場合には、必ず原稿用紙を使用してください。ルーズリーフ、レポート用紙などを使用した場合には採点しません。また、万年筆かボールペンで記すこと。

 B参考文献を明示してください。ここで、参考文献とは、教科書(講義の教科書だけでは不十分です)、論文集、法律雑誌掲載の論文をいいます。六法などの法令集、辞書、判例集などは参考文献にならないので注意してください(参考文献として記されている場合は、論述の展開に関連する必然性があると認められない限りにおいて減点します)。また、文献の数も評価の対象となります。

 なお、総務省、各地方公共団体のサイトを除いて、ホームページ(各種サイト)などの参照は避けてください(参照されていることが明らかな場合、減点することがあります)。

 ●提出方法

 @原則としてK-SMAPYによります。9月27日(金)の2200分を締め切りとします。

 A但し、この機能を使えない場合には、9月27日の講義の際に提出していただきます。教卓の上に置いてください。

 Bレポートの提出がない場合には、単位の認定をしません。また、教科書や参考文献、さらにホームページなどの丸写しなどで終わっているものは未提出とみなします。

 自分の力で考え、表現してみましょう。

  

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