行政法試験問題集・その52

 

国学院大学法学部「行政法1」2015年度後期試験問題〔2016年1月29日出題〕

 

 ●次のT〜Vから1つだけを選択し、解答しなさい(2問以上解答した場合は0点とします)。

 T.次の事例を読み(別紙参照条文も読むこと)、判例、学説の動向に照らしつつ、要件裁量、効果裁量について論じなさい。

 Y市に勤務する職員Xは、部下のAおよびBに対してセクハラ行為などを繰り返していたとして、Y市長から懲戒免職処分を受けた。Xは、事実誤認があるなどとして懲戒免職処分の取消を求めて出訴した。なお、Xは、AがXからセクハラを受けた旨の虚偽の記事をブログに掲載したとしてAに対し損害賠償などを求める訴訟を別に提起したが、AはXからセクハラを受けたとして反訴し、Xの主張は認められず、Aの主張が認められ、XがAに対して損害賠償を支払うように命ずる判決が出されている。

 U.P市は、パチンコ屋やラブホテルなどを開業するには市長の同意を必要とするという内容の条文を盛り込んだ条例を制定し、施行している。業者Qは、P市内にパチンコ屋を開業しようとして、県公安委員会から営業許可を得て、また、P市建築主事から建築確認を得て、P市長の同意を得ないままに建設を開始した。P市は業者Qに対して建設中止命令を発したが、業者Qは建設を続行している。さて、P市は、業者に対して強制執行をなしうるか。なしえないとしたら、いかなる措置を執ることが可能か(なお、法律によれば、執行罰も直接強制もなしえないと解されることとする)。別紙参照条文を読み、学説や判例の動向に留意しつつ、論じなさい。

 V.別紙参照条文を読み、判例、学説の動向に照らしつつ、行政行為の理由の提示について論じなさい。

 

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