行政法試験問題集・その55

 

大東文化大学法学部「行政法1」・「行政法1A」2016年度前期追試験問題〔2016年8月9日出題〕

 

 ●次の中から一題のみを選択し、解答しなさい。

 1.行政法の分野に信義誠実の原則は適用されるのか。適用されるとすれば、いかなる場面においてであるか。判例、学説の動向に留意しつつ、論じなさい。

 2.Xはシングルマザーで、子のAが児童扶養手当法施行令第1条の2第3号に定められる児童として児童扶養手当を受けていた。しかし、BがAを認知したため、県知事Yは、同号括弧書きに該当するとしてXに対して受給資格喪失処分を行った。Xは、この処分の取消しを求めて出訴した。

 この事案について、Xの請求は認められるべきか。判例、学説の動向に留意しつつ、論じなさい。

 〔参照条文〕 児童扶養手当法第4条第1項(改正前)

 「都道府県知事、市長(特別区の区長を含む。以下同じ。)及び福祉事務所(社会福祉法(昭和二十六年法律第四十五号)に定める福祉に関する事務所をいう。以下同じ。)を管理する町村長(以下「都道府県知事等」という。)は、次の各号のいずれかに該当する児童の母がその児童を監護するとき、又は母がないか若しくは母が監護をしない場合において、当該児童の母以外の者がその児童を養育する(その児童と同居して、これを監護し、かつ、その生計を維持することをいう。以下同じ。)ときは、その母又はその養育者に対し、児童扶養手当(以下「手当」という。)を支給する。

 一 父母が婚姻を解消した児童

 二 父が死亡した児童

 三 父が政令で定める程度の障害の状態にある児童

 四 父の生死が明らかでない児童

 五 その他前各号に準ずる状態にある児童で政令で定めるもの」

 児童扶養手当法施行令第1条の2(平成10年政令第224号による改正前)

 「法第四条第一項第五号に規定する政令で定める児童は、次の各号のいずれかに該当する児童とする。

 一 父(母が児童を懐胎した当時婚姻の届出をしていないが、その母と事実上婚姻関係と同様の事情にあつた者を含む。以下次号において同じ。)が引き続き一年以上遺棄している児童

 二 父が法令により引き続き一年以上拘禁されている児童

 三 母が婚姻(婚姻の届出をしていないが事実上婚姻関係と同様の事情にある場合を含む。)によらないで懐胎した児童(父から認知された児童を除く。)

 四 前号に該当するかどうかが明らかでない児童」

 3.行政行為の公定力について、学説・判例の動向に照らしつつ、論じなさい。

 4.要件裁量および効果裁量について、学説・判例の動向に照らしつつ、論じなさい。


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