行政法試験問題集・その74

 

国学院大学法学部「行政法1」2018年度期末試験問題〔2019年1月25日出題〕

 

 次のT〜Vから1つだけを選択し、解答しなさい(2問以上解答した場合は0点とします)。

 T.A県の県立高校教諭のXは、2018年4月に勤務先の高校で行われた入学式において、国歌斉唱の際に起立斉唱を行わなかったとして、A県から3か月の停職処分を受けた。Xは、この停職処分の取消を求めて出訴した。Xの主張は認められるべきか。判例、学説の動向に留意しつつ、論じなさい。

  地方公務員法第29条第1項:「職員が次の各号の一に該当する場合においては、これに対し懲戒処分として戒告、減給、停職又は免職の処分をすることができる。

  一 この法律若しくは第57条に規定する特例を定めた法律又はこれに基く条例、地方公共団体の規則若しくは地方公共団体の機関の定める規程に違反した場合

  二 職務上の義務に違反し、又は職務を怠つた場合

  三 全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあつた場合」

 U.国税通則法第74条の2第1項は「国税庁、国税局若しくは税務署(以下「国税庁等」という。)又は税関の当該職員(中略)は、所得税、法人税、地方法人税又は消費税に関する調査について必要があるときは、次の各号に掲げる調査の区分に応じ、当該各号に定める者に質問し、その者の事業に関する帳簿書類その他の物件(中略)を検査し、又は当該物件(中略)の提示若しくは提出を求めることができる」と定める。また、同法第128条第2号は「第74条の2(中略)の規定による当該職員の質問に対して答弁せず、若しくは偽りの答弁をし、又はこれらの規定による検査、採取、移動の禁止若しくは封かんの実施を拒み、妨げ、若しくは忌避した者」を「1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処する。」と定める。これらの規定の合憲性につき、判例、学説の動向に留意しつつ、論じなさい。

 V.以下に示す行政手続法の諸規定を参照し、行政行為(処分)の理由の提示(理由付記)について、判例、学説の動向に留意しつつ、論じなさい。

 第8条第1項:「行政庁は、申請により求められた許認可等を拒否する処分をする場合は、申請者に対し、同時に、当該処分の理由を示さなければならない。ただし、法令に定められた許認可等の要件又は公にされた審査基準が数量的指標その他の客観的指標により明確に定められている場合であって、当該申請がこれらに適合しないことが申請書の記載又は添付書類その他の申請の内容から明らかであるときは、申請者の求めがあったときにこれを示せば足りる。」

 同第2項:「前項本文に規定する処分を書面でするときは、同項の理由は、書面により示さなければならない。」

 第14条第1項:「行政庁は、不利益処分をする場合には、その名あて人に対し、同時に、当該不利益処分の理由を示さなければならない。ただし、当該理由を示さないで処分をすべき差し迫った必要がある場合は、この限りでない。」

 同第2項:「行政庁は、前項ただし書の場合においては、当該名あて人の所在が判明しなくなったときその他処分後において理由を示すことが困難な事情があるときを除き、処分後相当の期間内に、同項の理由を示さなければならない。」

 同第3項:「不利益処分を書面でするときは、前二項の理由は、書面により示さなければならない。」

 


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