行政法試験問題集・その78

 

国学院大学法学部「行政法1A」2019年度前期末試験問題〔2019年7月26日出題〕

 

  ●次の問題の中から1題だけを選択し、解答しなさい(2題以上について解答した場合には採点しません)。

  1.パチンコ屋やゲームセンターなどを経営するXは、A市にY競輪場(Y市が運営している)の場外車券売場を建設する計画を建てた。この場外車券売場は、Xが所有する土地の上にXが所有する建物を建て、それをY市に賃貸し、Y市が車券を販売するというものである。競輪事業の売上減少と赤字に苦しむY市は、このXの計画に期待をかけ、自らY競輪場A場外車券売場設置計画を立てた。その内容は、Xに対して場外車券売場の建物を賃借し、そこで車券を販売し、売上の5%ほどをXに賃借料として支払うというものである。また、Xは、経済産業大臣から場外車券売場設置許可を得た。しかし、A市が場外車券売場設置計画に反対し、経済産業大臣を相手取って場外車券売場設置許可の取消を求める訴訟を提起したこと、A市民の多くも場外車券売場設置に反対し、Y市内での抗議活動なども行われたこと、Y市で市長選挙が行われ、場外車券売場設置計画を推進してきた現職市長が敗れたことから、新市長は、この計画の推進を白紙に戻すこととした。A市やA市民からは歓迎されたが、場外車券売場設置の準備を進め、一部着工していたXは、結局中止せざるをえなくなったなどとして、Y市に対して損害賠償を請求する訴訟を起こした。

 Xの請求は認められるべきか。判例・学説の動向に留意しつつ、論じなさい。

 2.行政行為は、いかなる場合に違法となるか。また、いかなる場合に無効となるか。判例・学説の動向に留意しつつ、論じなさい。

  3.某大都市に隣接するA市は、交通の便の良さもあって人口が増えているが、地形的に水源に恵まれておらず、水道管の老朽化も深刻になっている。そこで、2019年3月に給水規則を改正し、一定の戸数を超える共同住宅などについては給水を拒否するという趣旨の規定を置き、同年4月1日より施行した。同月、マンションディベロッパーのX社は、A市内にタワーマンションの建設を計画し、1000戸分の給水契約を申し込んだが、A市は給水契約の締結を拒否した。そこで、X社は、この拒否が水道法第15条第1項にいう「正当の理由」に該当しないとして出訴した。X社の訴えは認められるべきか。判例・学説の動向に留意しつつ、論じなさい。

 参照 水道法第15条第1項:「水道事業者は、事業計画に定める給水区域内の需要者から給水契約の申込みを受けたときは、正当の理由がなければ、これを拒んではならない。」

  

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