サテライト日田(別府競輪場の場外車券売場)建設問題・第17編

  

  サテライト日田問題が、別府市政を揺るがしております。この問題をめぐる別府市の対応を巡り、別府市民からの批判も、少しずつではありますが増えつつあり、別府市議会でも批判や要望が相次いでおります。対処の仕方を誤れば、市政が混乱する、という事態になりかねません。

 1月22日、大分大学での憲法の講義が始まる時、別府市に在住する1年生の男子学生が、1枚のビラを見せてくれました。それは、12月9日の日田市による反対行動に連帯して参加した別府市の市民団体が別府駅周辺で配布していたというものです。配布していた日はわかりません。その後、日田市のホームページに設置されている「ひたの掲示板」にも、別府市民からの投稿がありました。中身は、やはりサテライト日田設置を批判するもので、サテライト宇佐、さらには別府競輪場そのものにも閑古鳥が鳴いているという旨が記されておりました。日田市、そして何よりも日田市民の反対の声が、少なからぬ別府市民にも共感を呼んでいる、ということでしょうか。そればかりでなく、別府競輪のホームページにある「質問コーナー」において、質問などに対する回答が一切なされておらず、別府市出身者が日田市民などの質問に対して意見を述べるという、考えようによっては珍妙な光景がみられます。私も、この「質問コーナー」をチェックしているのですが、驚いたことに、1999年に出された質問にはいまだに回答がなされておらず、昨年に出された質問は一つだけで、それについても回答がなされておりません。つまり、1年以上も、質問が店晒しになっている訳です。さらに、西暦2000年問題にも対応していないのか、昨年は100年、今年は101年と表示されていました。これらのことは「ひたの掲示板」でも話題となりました。

 その1月22日、この問題に関して新たな動きがありました。大分asahi.com/ニュースの1月23日付記事によれば、別府市の首藤広行観光経済部長、立川和洋競輪事業課課長補佐など9氏が、日田市を訪問されました。目的は、サテライト施設や運営内容を説明すること、および、2月7日に日田市の中央公民館にて開催される予定の説明会への案内です。サテライト日田設置反対連絡会に参加している17の市民団体代表を、3班に分かれた上で訪問されました。夕方までに訪問できたのは9団体の代表氏のもとでした。しかし、実際に面談しえたのは、日田市連合育友会の後藤功一会長と他1氏だけです。後藤氏は、設置に反対であるが説明会の話が来れば検討すると回答したとのことです。別府市側としては、競輪事業や施設の話ができなかった訳で、目的は果せなかったということになります。

 実は、これまで、別府市による説明会は行われていなかったようです。直接の設置許可申請者である溝江建設は、昨年、3回の説明会を開催しましたが、出席した市民は僅かであったとのことです。何故、別府市による説明会が開かれていなかったかについては不明ですが、これでは日田市民の怒りを買ってもおかしくありません。なお、2月7日に日田市中央公民館にて行われる予定の説明会には、別府市の大塚茂樹助役が参加される他、 溝江建設にも出席を要請するとのことです。このホームページを御覧になっておられる日田市民の方、別府市民の方、説明会について情報がございましたらお寄せ下さい。私も、可能であれば出席いたしたいと存じます(取材くらいしかできませんが)。

 1月25日には、別府市議会会派代表者会議が開かれました。大分asahi.com/ニュースの1月26日付記事によれば、別府市議会議長の三ケ尻正友氏が日田市議会議長の室原基樹氏と非公式に会談され、別府市報掲載記事訂正問題について憂慮を抱いていることを確認、室原氏は話し合いについて打診されたとのことです。この席上、大塚助役と首藤観光経済部長の報告がなされました。その内容は、昨年12月の定例市議会の後、別府市当局が、日田市、日田商工会議所、経済産業省などに計16回も出向いたこと、2月7日の説明会開催のことです。大塚助役は、市報問題とサテライト設置問題とは別であるという立場を採られた上で、日田市と別府市との間に接点がないこと、市報問題などについての別府市の回答を日田市が受け取らないと述べられております。

 しかし、市議会議員諸氏から、市報問題の解決を望む声が相次ぎました。別府市は、市報2000年11月号掲載記事について、訂正の必要性がないことを理由に日田市の要求を拒絶してきましたが、これでは何の解決策にもつながらないという批判です。市議会からこうした意見が出された以上、別府市としては、訂正しないことの理由を、これまでより詳細に示す必要があります。

 

(2001年1月27日)

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