租税法講義ノート〔第2版〕

Einführung in das japanische Steuerrecht, 2. Auflage

 

 2004年度から、大東文化大学法学部法律学科において、通年科目である「税法」の講義を担当しております。また、2004年度から2012年度まで西南学院大学法学部の集中講義「税法」を、2009年度から2014年度までは大東文化大学大学院法務研究科(法科大学院)において前期のみの「租税法T」を担当しました。これらの科目のために、私は、講義のためのノートを作成し、毎年、内容を見直し、作り直してきました。

 ようやく、2009年になって、このホームページに「租税法講義ノート」を設けました。基本となるコンセプトは、「日本国憲法講義ノート」(第5版は「日本国憲法ノート」に改題。現在は休止中)、「行政法講義ノート」および「財政法講義ノート」と同じです。法学部の学生はもとより、大学院法学研究科の学生、法科大学院の学生、さらに法学部で法律学を学んだことのない方が読まれることも念頭に置き、作成しております。従って、内容は基本的な部分が中心となります(但し、少々突っ込んだ内容となることもあります)。また、参考文献をなるべく多く紹介し、場合によっては内容に取り入れるため、修正、補訂を繰り返すこととしております。

 開始してから2年が経ちましたので、第2版の掲載を開始することといたしました。充実したものとなるように努めてまいりますので、よろしくお願い申し上げます。

 第1版でも記しておきましたが、第2版でも注意事項を記しておきます。

 1.法律学を学ぶ際に六法を必ず手元において読むというのは常識ですが、租税法の場合は特別な注意を必要とします。定評のある教科書や、租税法の分野では数多い実務向け解説書などを読めばすぐにわかることですが、法律はもちろん、施行令、施行規則、さらに通達を参照する必要があります。

 そこで、できれば税務六法の法令編および通達編(いずれもぎょうせい)の最新版を入手してください。これをお勧めする理由は、法令編・通達編のいずれにもCD-ROMが付属していること、法令編の場合は法律の条文に対応する形で施行令および施行規則が掲載されていることです。また、他の出版社からも同様の実務用六法が刊行されていますので、探してみるとよいでしょう。

 税務六法以外であれば、中型または大型の六法がよいでしょう。残念ながら施行令や施行規則、そして通達を参照することができませんが、有斐閣の判例六法Professional、三省堂の模範六法(など)であれば、所得税法、法人税法、相続税法、消費税法が掲載されているはずです。これらには地方税法が掲載されていないのですが、ぎょうせいの自治六法には地方税法が掲載されており、付録のCD-ROMに所得税法などが掲載されているはずです。

 また、法科大学院の学生であれば、第一法規の新司法試験用六法という手もあります。但し、これには国税通則法、所得税法および法人税法しか掲載されておらず、しかも施行令や施行規則は全く掲載されておりません。新司法試験の出題範囲については、所得税法を中心とすること、所得税法と関連する範囲で法人税法および国税通則法を含むものとすることが、司法試験委員会第14回会議(平成16年12月10日)において方針として決定されておりますが、実際には他の法律に関しても関連する範囲で取り上げられています(平成20年度の試験問題を参照してください)。従って、新司法試験用六法に掲載されていない法律を参照する必要性もあります。

 有斐閣のポケット六法、三省堂のデイリー六法などの小型の六法には、そもそも所得税法や法人税法などが掲載されておりませんので、租税法の講義では無意味です(抄録の場合もあるでしょうが、それもあまり意味がないでしょう)。

 2.租税法学に限らず、法律を勉強する際には、判例、実例などの検討を欠くことはできません。そこで、判例解説書またはケースブックの併読をおすすめします。さしあたり、水野忠恒・中里実・佐藤英明・増井良啓・渋谷雅弘編『租税判例百選』〔第5版〕(2011年、有斐閣)、金子宏・佐藤英明・増井良啓・渋谷雅弘編『ケースブック租税法』〔第4版〕(2013年、弘文堂)をお勧めしておきましょう。

 そして、実際に、公式判例集などを参照するように努めて下さい。租税法の場合は、最高裁判所民事判例集、最高裁判所刑事判例集、判例時報、判例タイムズの他、訟務月報、税務訴訟資料などに掲載されることもあります(地方税の場合は判例地方自治の場合もあります)。また、判例集に掲載されていない判決については、TAINS(税理士情報ネットワーク全国ユーザー会)、LEX/DBインターネットが便利です。大学の図書館などであれば、LEX/DBインターネットを利用できる場合が多いはずです。

 3.定評のある教科書を併読することをおすすめします。

 4.租税法学は、行政法学以上に応用的法学の一つです。そこで、基礎的な六法(憲法、民法、刑法、商法、民事訴訟法、刑事訴訟法)の学習はもとより、行政法の学習も済ませておくのが望ましいのです。最低限、憲法、民法、刑法、商法および行政法の学習を十分に行って下さい。

 もっとも、法学部以外の学部の学生、さらには法律学に全く触れてこなかったという方もおられるでしょう。そこで、必要があれば憲法、民法、刑法、行政法などの基本的な部分にも触れておきたいと考えています。

第一部    租税法の基礎理論

01 租税と租税法 2011年3月15日掲載 2014年3月3日修正
02 課税要件 2011年3月15日掲載 2013年8月1日修正
03 租税法律主義 2011年3月16日掲載 2014年3月3日修正
04 租税負担の公平―応能負担原則と応益負担原則を中心に― 2011年3月16日掲載 2013年10月17日補訂
05

租税法の解釈と実質課税の原則

2011年3月16日掲載 2012年8月5日修正
06

租税回避と納税義務

2011年3月16日掲載 2012年8月5日修正
07

租税法と信義誠実の原則

2011年3月16日掲載 2013年3月3日修正
第二部    所得税法
08 所得税の地位 2011年3月16日掲載 2013年9月14日補訂
09 所得概念と所得税 2011年3月16日掲載 2013年10月17日補訂
10 納税義務者と課税単位 2011年3月16日掲載 2013年9月23日補訂
11 所得税法における所得の分類 2011年3月16日掲載 2013年10月17日修正
12 収入金額と必要経費 2011年3月16日掲載 2013年5月1日修正
13 所得税法における税額の計算(および復興特別所得税) 2011年3月16日掲載 2013年10月17日補訂

第三部    法人税法

14

法人税の性質 2011年3月16日掲載 2013年10月16日修正

15

法人税の納税義務者および税率 2011年3月16日掲載 2015年5月19日修正
16 法人所得その1 2011年3月16日掲載 2012年8月12日修正

17

法人所得その2 2011年3月16日掲載 2012年8月12日修正
18 法人所得その3 2011年3月16日掲載 2013年11月19日修正
19 法人税額の計算、および同族会社に対する法人税など(および復興特別法人税) 2011年3月16日掲載 2012年8月8日補訂

第四部    住民税・事業税

20

住民税の性質 2011年3月16日掲載 2014年6月24日修正

21

個人住民税 2011年3月16日掲載 2014年6月24日修正

22

法人住民税 2011年3月16日掲載 2014年10月30日修正

23

事業税 2011年3月16日掲載 2015年5月19日修正

第五部    相続税・贈与税

24

相続税その1  相続税と贈与税との関係、相続税の性質、納税義務者 2011年3月16日掲載 2013年10月16日修正

25

相続税その2  相続税の課税物件、課税標準および税額の計算 2011年3月16日掲載 2013年10月16日補訂
26 贈与税 2011年3月16日掲載 2012年8月12日修正
27 財産の評価 2011年3月16日掲載 2012年8月12日修正
28 事業承継税制 未定 未定

第六部    固定資産税・都市計画税

29

固定資産税 2011年3月16日掲載 2014年6月24日修正

30

都市計画税 2011年3月16日掲載 2014年6月24日修正

第七部    消費課税

31

消費課税総説

2011年3月15日掲載 2015年5月19日修正
32

国税としての消費税の構造

2011年3月15日掲載 2015年5月19日修正
33

地方消費税

2011年3月15日掲載 2015年5月26日修正

第八部    租税手続法

未定 未定 未定 未定

第九部    租税争訟法

未定 未定 未定 未定

第十部    租税処罰法

未定 未定 未定 未定

   

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(第1版:2009年2月11日新設、2月15日より掲載開始)

(第2版:2011年3月4日新設)