行政法講義ノート〔第5版〕

Einführung in das japanische Verwaltungsrecht (Web-Version), 5. Auflage

 

 この講義ノートを、大分大学教育福祉科学部講師であった2001年3月25日に開始してから、早いもので12年が経とうとしています。最初は法学部に所属していない学生を念頭に置いていたためか、多くの方々に利用していただきました。直接、公務員の方、税理士の方などから「わかりやすい」というありがたい評価をいただきましたし、行政書士試験受験者向けのブログなどで、行政法の真髄でもある行政裁量論を扱った箇所に関して非常に好意的な評価をいただくこともできました(他にどのような評価をいただいているのか、残念ながら作成者の私自身にはわからないのですが)。

 今回、判例や学説の状況を見つつ、法学部などの学部の学生はもとより、法科大学院の学生にも役に立つものとする、という目的を明確にし、かつ達成するために、版を改めることとしました。第5版とは銘打っていますが、開始から二度の名称変更を経ていますので、実質的には第7版となります。

 私が大東文化大学および国学院大学で担当する講義の範囲は行政作用法総論ですが、ホームページでは当初から、行政作用法総論、行政救済法および行政組織法の基本的な部分を対象としております。これは、直接的には大分大学時代に公務員研修を何度も担当したこと、および、2005年の4月から10月まで、早稲田大学法職課程教室公務員試験講座・専門科目講座「行政法」を担当したためですが、別の理由もあります。行政作用法総論の講義であっても、常に行政救済法や行政組織法の内容を意識しなければならないのです。この点は、実際に行政法学の教科書をお読みになればおわかりでしょう。

 これまでと同様に、掲載後も度々修正や補訂を加えることとなります。書物とは違い、こうした作業も手軽にできますので、随時行いたいと考えております。それは、新しい学説や判例を追っていきたいという考え方によります。

 日本に存在する法律の大部分は行政法に属する、と言われます。それだけに、範囲も膨大なものとなりますが、ここでは、初学者の皆様にも取り掛かりやすいように、ごく基本的な部分を扱います。それは、当初、大分大学時代の私の所属学部という事情もあって、主に大学法学部以外の学生を念頭に置いたものとして作成していたレベルとしていたことによります。但し、少々突っ込んだ内容となっている部分もあります。これは、公務員試験、行政書士試験などの受験を検討されている方々などのお役に立てば、という思いもあるからです。

 ここで、注意事項を記しておきます。

 1.必ず、六法を手元に置いて読んで下さい。六法は、有斐閣の判例六法Professional、判例六法、三省堂の模範六法 、第一法規の新司法試験用六法などの中型またはそれより収録法令数の多いものが望ましいと思われます。学陽書房の地方自治小六法、ぎょうせいの自治六法などであれば、さらに良いでしょう。なお、六法に収録されていない法令が登場することもありますが、この点は御了承ください。

 2.行政法学に限らず、法律を勉強する際には、判例、実例などの検討を欠くことはできません。そこで、まず、判例解説書の併読をおすすめします。とくに、公務員試験受験を考えられている方は、判例解説書を備えるようにして下さい。そして、実際に、公式判例集などを参照するように努めて下さい。

 この講義においては、宇賀克也・交告尚史・山本隆司編『行政判例百選T』〔第6版〕および同編『行政判例百選U』〔第6版〕(いずれも2012年、有斐閣)を参考書の一つとします(2分冊になっていますが、1セットと考えてください)。同書にて解説がなされている判例については、TまたはUの○○番と記します。 但し、同書(T、Uのいずれも)には最高裁判所の判決しか取り上げられていませんので、高木光=稲葉馨編・ケースブック行政法〔第4版〕(2010年、弘文堂)、下山憲治・田村達久編『判例ライン行政法』(2012年、成文堂)などもおすすめします。

 3.定評のある教科書を併読することをおすすめします。

 4.また、行政法学の基本用語については、このページでも説明を行っておりますが、黒川哲志・下山憲治編著『確認行政法用語230』(2010年、成文堂)の併読もおすすめします。

 5.行政法学は、応用的法学の一つとして考えられています。そこで、基礎的な六法(憲法、民法、刑法、商法、民事訴訟法、刑事訴訟法)の学習を済ませておくのが望ましいのです。最低限、憲法、民法および刑法の学習を十分に行って下さい。

 もっとも、法学部以外の学部の学生、さらには法律学に全く触れてこなかったという方もおられるでしょう。そこで、憲法、民法、刑法などの基本的な部分にも触れておきたいと考えています。

第一部    行政法総論

第1回 行政はよく聞く言葉だけど、一体どのようなものなのか

2013年2月20日掲載

2013年11月29日修正

第2回 行政法とは何か 2013年2月23日掲載 2014年1月29日修正
第3回 憲法と行政法 2013年3月3日掲載 2013年12月26日修正
第4回 法律による行政の原理 2013年3月4日掲載 2013年12月26日修正
第5回 行政法上の法律関係 2013年3月10日掲載 2013年11月29日修正
付録 行政の行為形式 2013年3月10日掲載 修正・補訂なし
第6回 行政立法(法規命令・行政規則) 2013年3月10日掲載 2013年5月1日修正
第7回 行政計画 2013年3月10日掲載 修正・補訂なし
第8回 行政裁量論 2013年3月10日掲載 2014年1月29日修正
第9回 行政行為論その1:行政行為の概念 2013年3月17日掲載 2013年12月26日修正
10回 行政行為論その2:行政行為の附款 2013年3月17日掲載 修正・補訂なし
第11回 行政行為論その3:行政行為の効力 2013年3月10日掲載 2013年12月26日修正
第12回 行政行為論その4:行政行為の瑕疵 2013年3月10日掲載 2013年12月26日修正
第13回 行政行為論その5:行政行為の職権取消と撤回 2013年3月17日掲載 2013年12月26日修正
第14回 行政契約 2013年4月23日掲載 2013年12月26日修正
第15回 行政指導 2013年4月23日掲載 2013年12月26日修正
第16回 行政手続法―事前手続に対する統制― 2013年3月10日掲載 2013年12月28日修正
第17回 情報公開法制度 2013年4月25日掲載 2013年12月28日修正
第18回 個人情報保護法制度 2013年4月25日掲載 2013年12月28日修正
第19回 行政上の義務履行確保のための法制度(行政上の強制執行、その他) 2013年4月23日掲載 2013年12月28日修正
第20回 行政罰 2013年4月23日掲載 修正・補訂なし
第21回 即時強制 2013年4月23日掲載 2013年12月26日修正
第22回 行政調査 2013年4月23日掲載 修正・補訂なし

第二部    行政救済法

第23回 行政不服審査制度 2013年4月25日掲載 修正・補訂なし
第24回 行政事件訴訟制度とは 2013年4月25日掲載 修正・補訂なし
第25回 取消訴訟の訴訟要件その1―処分性を中心に― 2013年4月25日掲載 修正・補訂なし
第26回 取消訴訟の訴訟要件その2―原告適格および狭義の訴えの利益を中心に― 2013年5月27日掲載 2014年1月29日修正
第27回 行政事件訴訟法における、その他の問題点 2013年5月27日掲載 修正・補訂なし
第28回 国家補償法制度、国家賠償法第1条 2013年5月27日掲載 修正・補訂なし
第29回 国家賠償法第2条 2013年5月27日掲載 修正・補訂なし
第30回 損失補償制度 2013年5月27日掲載 2014年1月29日修正

第三部    行政組織法

第31回 行政組織法その1    行政組織法の一般理論 2013年12月26日掲載 2014年1月20日修正
第32回 行政組織法その2    国家行政組織法および地方自治法の基礎 2013年12月26日掲載 2014年1月20日修正
第33回 行政組織法その3    公務員法および公物法 2013年12月26日掲載 修正・補訂なし

 

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   (2001年3月25日、「行政法への前奏曲集」として開始する。)

(2003年4月1日、「行政法への入口(前奏曲)」と改称。順次、修正・補充などを行う。)

(2004年4月16日、「行政法講義ノート」と改称。)

(2005年6月28日、第2版として順次改訂。)

(2008年5月16日、第3版として順次改訂。)

(2011年3月15日、第4版として順次改訂。)

(2013年2月20日、第5版として順次改訂。)