ドイツの州租税法(1920年3月30日公布)の仮訳

Landessteuergesetz vom 30. Maerz 1920 (RGBl. 1920, Nr. 60, S. 402ff.)

 

  ドイツ憲法制定国民会議(die verfassungsgebende Deutsche Nationalversammlung)は、以下の法律を議決した。ここに、ライヒ参議院の同意を得て、法律を公布する。

第1章    州租税およびゲマインデ公課

第1条  ライヒ憲法、およびライヒ憲法に従って交付されたライヒ法の諸規定に抵触しない限りにおいて、州およびゲマインデ(ゲマインデ連合)は、州法に従って租税を徴収する権限を有する。

第2条 @ライヒ法律による別段の定めがなければ、ライヒのための租税の利用(Inanspruchsnahme)は、州およびゲマインデ(ゲマインデ連合)による同種の租税の徴収を排除する。

Aライヒ租税への付加税の徴収は、ライヒ法律の授権に基づく場合にのみ、州およびゲマインデ(ゲマインデ連合)に許容される。

第3条 ライヒの租税収入を損なうに相応しいような州租税およびゲマインデ租税は、ライヒ財政の優越的な利益に抵触する場合には、徴収されないものとする。

第4条 第3条の規定に違反する、州およびゲマインデ(ゲマインデ連合)の租税上の諸決定(規定)は、廃止され、または、ライヒ財政の利益との矛盾がもはや存在しない程度に変更されなければならない。

第5条  ゲマインデ(ゲマインデ連合)の新たな租税秩序(Steuerordnungen)は、権限のある州官庁によってライヒ大蔵大臣に、またはライヒ大蔵大臣の委任を受けたライヒ官庁に報告される。ライヒ大蔵大臣、またはライヒ大蔵大臣の委任を受けたライヒ官庁は、その秩序がライヒ法と一致せず、または、ライヒの租税収入を損ない、かつ、ライヒ財政の優越的な利益に抵触する場合には、一ヶ月以内に異議を提起することを得る。

第6条 @州法上の租税規定がライヒ法と一致するか否かの問題に関して、ライヒ大蔵大臣と州政府との間に意見の相違が存在する場合には、ライヒ大蔵大臣または州政府の申し立てに基づき、ライヒ財政裁判所が決定を下す。19191213日のライヒ租税通則法(RGBl. S. 1993)第46条第2項第1文において予定されている構成(Zusammensetzung)における大法廷が権限を有する。詳細を定める規定は、特別の法律に留保されたままとする。

A州租税またはゲマインデ租税がライヒの租税収入を損なうに相応するか否か、および、租税の徴収というライヒ財政の優越的な利益に抵触するか否か、という問題に関しては、ライヒ大蔵大臣または州政府の申し立てに基づき、ライヒ参議院が決定を下す。

第7条 州およびゲマインデは、任意に処理する租税を、租税需要に応じて利用するものとする。

第8条 @州は、a)土地財産、b)〔自由業・農林業・鉱業以外の〕一般営業の租税を徴収する。

A租税は、土地財産又は一般営業の価値、収益、収益能力、または範囲の徴標(Merkmal)に応じて査定されることを得る。

B州は、収益税をゲマインデ(ゲマインデ連合)に、全部または一部を委譲することを得る。

第9条 収益税は、所得税のごとく形成されてはならない。納税義務者の人的給付能力の考慮を目標とする課税徴標(Besteuerungsmerkmale)は、根底に置かれないものとする。

第10条 @土地財産の税および一般営業の税は、領域において土地所有および建物所有が存在し、または、事業所(Betriebsstatte)が既存の営業を行うために維持されている州においてのみ、徴収されることを得る。

Aこの法律の意味における事業所とは、既存の一般営業の運営に資する、確定した地域的な全ての設備または施設(Anlage oder Einrichtung)をいう。これに従って、経営の本拠地の他に、支店(Zweigniederlassungen)、製造所(Fablikationsstatten)、購入場(Einkaufsstellen.仕入れ部門のことかと思われる)および販売所(Verkaufsstellen)、事務所(Kontore)、そのほか、企業(者)自身、その企業の出資者、代理人(Prokuristen)またはその他の代理人による、一般営業を行うために維持される取引施設(Geschaftseinrichtungen.商業施設)も、事業所とみなす。12ヶ月を越えて続く建築(建設)施設(Bauausfuhrungen)も、事業所とみなす。

B複数の州において同一の一般営業的企業の事業所が存在する場合には、課税は各々の州において持分に応じてのみなされることを得る。

CWanderlagerbetrieb(行商のようなものを指すのか?)を含めた移動状態にある(im Umherziehen)一般営業は、領域において経営(営業)が行われ、または行われるべき州においてのみ、課税することを得る。

第11条 納税義務者が、複数の州において、同一の租税目的について州租税またはゲマインデ租税を課される場合には、その納税義務者は租税目的の分散への申し立ての権利を得る。申し立ては、査定官庁の一につき、第二回目またはそれ以上の回の査定の確定力(Rechtskraft)が発生した後の1ヶ月以内に行われなければならない。申し立てに関しては、査定官庁が属する週財務官署が決定を下す。査定官庁が異なる(複数の)週財務官署の領域に属する場合には、ライヒ大蔵大臣が所轄州財務官署を決定する。州財務官署の領域においては、租税目的の課税が複数の州において根拠付けられている場合には、分散計画を作成しなければならない。州財務官署の異議(Beschwerde)に対して、関係人には、2週間の期限内で、異議手続においてライヒ租税通則法の準用の下で決定を下すライヒ財政裁判所への異議の権利が与えられる。州財務官署およびライヒ財政裁判所の決定(判決)により、既に確定力を生じた査定および以前の分散計画も廃止されることを得る。

第12条 ゲマインデが属するゲマインデ連合または州が導入しない限りにおいて、ゲマインデは遊興税を徴収することを義務づけられる。

第13条  ライヒ参議院は、遊興税に関し、納税義務の種類および範囲、税率、ならびに、その他のゲマインデの租税上の権限を規律する諸規定を公布することを授権される。この諸規定は、ゲマインデが州政府の認可とともに、または州政府の委任を受けた官庁の認可とともに、ライヒ参議院の諸規定の枠内で特別の租税秩序が公布されない限りにおいて、租税秩序として効力を有する。ライヒ参議院の諸規定の発効の時点で効力を有する租税秩序は、権限を有するゲマインデ議会および監督官庁の新たな議決を必要とし、その議決がない場合には3ヶ月の経過後に失効する。

第14条  州は、州租税およびゲマインデ租税の査定および徴収に関する規定をライヒ租税通則法の規定に一致させることを配慮するものとする。

第15条 @公法上の宗教団体は、従来の州租税またはゲマインデ租税に代わるライヒ租税への付加税を徴収する権限を有する。

Aライヒ法律による租税の利用により、ゲマインデの租税特権(Gemeindesteuervorrechte)が、ライヒまたは州の公務員の地位にない聖職者(Geistlichen)および教会官吏(Kirchenbeamten)の俸給(Dienstzuge)および(勤労者保険)年金(Ruhegehalter)の観点から、ならびにその寡婦(Witwe)および孤児(Waise)の年金受給の観点から無効とされる限りにおいて、権利を有する者の、補償への弁護(人)は、州法律の廃止の場合に根拠づけられたであろうと同様に、変更を加えないままとする。

第2章    ライヒ租税の収入への州およびゲマインデの関与

第1款  一般的規定

第16条 @州がライヒ租税からの収入への関与を要求しなければならないか否か、およびどの程度しなければならないかについては、ライヒ法律によって決定される。

Aライヒ租税からの交付金へのゲマインデ(ゲマインデ連合)の関与は、ライヒ立法が、後に登場する諸原則の尊重の下で、決定する。

第2款  所得税

第17条  州およびゲマインデは、所得税および法人税の収入に、収入の3分の2をもって関与する。

第18条  租税関与への州の請求権は、州によって交付される割当分でのゲマインデの関与のための基準を形成する場所的収入に従って査定される。

第19条 州は、その割当分に、後に規定する諸原則の下でゲマインデを関与させる義務を負う。

第20条  ゲマインデの請求権は、次に掲げる税額への割当分を対象とする。

  一  ゲマインデに住所(ライヒ租税通則法第62条)を有するもの(Personen

  二  ゲマインデにおける税源から流入する所得に関しては、ゲマインデに住所を有することなく、鉱山(Bergwerke)を含む商業施設または営業施設を有し、商業または営業、または共同(持分)鉱山会社以外で採掘を営む人

  三 ゲマインデにおける税源から流入する所得に関しては、ゲマインデにおいて土地財産、鉱山を含む商業施設または営業施設を所有し、または採掘を含む商業または営業を行う限りにおける、非肉体的納税義務者(法人のことと思われる)。非肉体的納税義務者の他の所得がライヒ租税に服する限りにおいて、領域に行政の本拠地が存在するゲマインデは関与の権限を与えられる。

第21条 @割当分への請求権は、商業および営業からの所得に関しては、この法律の第10条にいう事業所(Betriebsstatte)が存在するゲマインデにおいてのみ存在する。鉄道企業(Eisenbahnbetrieb)は、行政(管理)または国の鉄道行政官庁の本拠地、駅または自ら存在する事業所(Betriebsstatte)もしくは作業所(Werkstatte)またはその他の営業施設が存在するゲマインデのための割当分への請求権を根拠づける。鉄道企業のための規定は、国の海運企業に、支払地が駅の代わりになるという条件つきで適用する。

A国有の経営に結びつかない、鉱山を含む商業施設および営業施設の所有からの所得に関しては、経営からの所得に関してと同じゲマインデが関与の権限を有する。

第22条 @一つの税額に、住所ゲマインデと課税ゲマインデ(Belegenheitsgemeinden)が関与の権限を有する場合には、その税額は、課税の根拠とされる土地所有経営および一般経営からの所得の、前所得への割合に応じて分割される。

A住所ゲマインデは、少なくとも割当分の4分の1を得る。

B州は、課税ゲマインデの請求権の根拠となる所得額が最少額に満たない限りで、分割がなされず、課税ゲマインデの請求権が住所ゲマインデの手に帰する、ということを規定することを得る。

第23条  @複数の住所に際しては、ゲマインデの割当分は、住所ゲマインデに、滞在の期間に応じて配分される。

A滞在(居所)が租税年度(内)で、3ヶ月の期間を超える場合には、その滞在は住所と同等である。

第24条  @営業企業(Gewerbeunternehmung)または採掘企業が、複数の、割当分権限を有するゲマインデに広がる場合には、ゲマインデの割当分の分解は、前経営の指揮が行われるゲマインデに全割当分の10分の1が配分され、かつ、残余の部分は、次のように配分される。

  一  保険企業、銀行企業、信用企業、および商品販売企業(Warenhandelsunternehmungen)については、個々のゲマインデにおいて得られた粗収入(Roheinnahmen)の割合に応じて。

  二  その他の場合においては、個々のゲマインデにおいて生ずる、俸給のための支出の割合に応じて配分される。但し、全利潤から算出される、管理人員および経営人員の利益配当(Tantieme)を除く。鉄道については、一般的管理に従事する人員の俸給は、半額のみが、作業場管理および運行業務に従事する人員の俸給は、3分の2のみが、評価に加えられる。

A個々の場合において、この配分原則の適用から、一または複数のゲマインデにとっての特別の厳格性が生ずる場合には、特別の基準が配分計画の根底に置かれることを得る。

Bこの法律の第21条にいう事業所が、俸給への支出が生ずる範囲において、複数ゲマインデの管区に広がる場合には、配分は、地域の割合を考慮しての場所的事情に従い、かつ、関与するゲマインデにおいて作業所の存在によって生ずる地方公共団体自体の状況に応じてなされなければならない。

第25条  @粗収入および俸給への支出の確定(算出)のために、一年が標準とされ、一年の結果が課税の根拠となる。

A企業(者)は、要請により、割当分への権限を有するゲマインデに、粗収入および俸給への支出の証明(書)を提出する義務を負う。

第26条  州は、土地財産、営業財産および一般営業(第20条第3号)からの収入をゲマインデに配分するために、特別の、既存の諸規定とは異なる決定を下すことを得る。

第27条  州の割当分は、ゲマインデについて通用する諸原則に従って算定される。

第28条  この諸原則によってゲマインデまたは州により要求されることを得ない税額は、全額がライヒに残される。

第29条  ゲマインデ(ゲマインデ連合)は、毎租税年度、ゲマインデ(ゲマインデ連合)に交付される所得税での割合分を、全部または一部、増額しないままにするという決議をなすことを得る。この許可は、州法律によって排除または制限されることを得る。交付された割当分のうち一部金額のみが増額される場合には、その金額は全納税義務者のために均等な百分率において存在しなければならない。

第30条  @住所ゲマインデ(第22条・第23条)は、州法律によって排除されない限りで、所得税によって把握されない最少所得の租税を徴収すると決議することを得る。所得税法第20条第2項および第4項に従い、2番目およびそれ以下の人のために1万マルクを超えない所得について非課税のままとされる700マルクの所得部分は、この租税をも課税されないままとする。租税は、所得税の納税義務を負わない人については、所得税の最下層段階として通用する税額を、所得税納税義務を負う人については、その人が課税される最高税率を超えてはならない。

A第1項に従って、住所ゲマインデによって決議される租税は、ライヒ官庁によって所得税とともに管理される。所得税法およびライヒ租税通則法が適用される。

第31条  @第29条および第30条において予定されているゲマインデ(ゲマインデ連合)の決議は、ゲマインデ(ゲマインデ連合)が存在する管区にある財務官署に、遅くとも毎年3月31日までに報告されなければならない。この期限が遵守されないならば、決議は考慮されない。

A一ゲマインデ(ゲマインデ連合)が複数の財務官署の管区に属する場合には、どの財務官署に決議が報告されるべきかについて、州財務官署が決定を下す。

第32条  複数の、所得税に関与する権限を有するゲマインデが、第29条および第30条に従って決議を為した場合には、ライヒ大蔵大臣は、ライヒ参議院の同意を得て、手続に関する詳細な決定を行う。

第33条  @州の割当分が、その人口数を計算して、一租税年度において、20%以上、諸州の割当分の相対から全人口数の一人あたりについて割り当てられる平均率(Durchschnittssatz)を下回る場合には、その週の割当分は、この年について、20%の限界の到達に至るまで、事後的に、ライヒに残された所得税収入から補充されなければならない。

A平均の算定については、所得は、ライヒ国庫の課税からともに算定されなければならない。

(別訳:平均の算定については、ライヒ国庫の課税からの収入が、ともに算定されなければならない。)

第3款    相続税

第34条  1919年9月10日の相続税法(RGBl. S. 1543)に基づく租税収入から、諸州は20%を得る。

第35条  @各州の割当分は、租税が徴収される状態にある限りで、州の領域における財務官署によって査定される租税によって算定される。

A一つの財務官署の権限が複数の州に及ぶ場合には、被相続人の最終住所、そのような住所がない場合には最後の滞在(居所)によって決定を下す。贈与税については、贈与の時点における贈与者の住所または滞在地(居所)によって決定を下す。

第36条  @土地財産または経営財産が納税義務者の相続財産に属する場合には、これらの財産の租税での割当分は、それらが課税される州に帰属する。

A複数の、割当分の権限を有する州の下での割当分の配分については、土地財産または経営財産およびその他の租税対象の納税義務の価値(評価額に基づく課税価格のことかと思われる)が標準となる。

第4款    土地取得税

第37条  1919年9月12日の土地取得税法(RGBl. S. 1617)に基づく租税収入から、諸州は、法律(土地取得税法のことと思われる)第10条に従い徴収される、25%だけ関与する租税の例外とともに、50%を得る。州の割当分の利用に関して、とくにゲマインデ(ゲマインデ連合)への完全な、または部分的な交付金に関しては、諸州が規定を行う。

第38条  @各州は、その領域において課される土地の土地取得税の割当分を要求しなければならない。

A土地が複数の州の領域に広がる場合には、その土地が存在する州の割当分は、土地の部分の価値の比に従って配分される。納税義務の根拠に関しては、割当分は、同様の方法によって算定される。

第39条 既に1918年1月1日以前に、土地取得税法において規律される種類の公課を徴収していたゲマインデ(ゲマインデ連合)は、1923年3月31日に至るまで、ゲマインデ(ゲマインデ連合)において集まったライヒの割当分から、この割当分の4分の1の額において、特別交付金を得る。同時にゲマインデおよびゲマインデ連合が問題となる場合には、州立法が下部配分(Unterverteilung)を決定する。

第40条  @諸州、ならびにその認可を得てゲマインデおよびゲマインデ連合は、土地取得税の付加税を、その会計(Rechnung)のために徴収することを得る。諸州、ゲマインデおよびゲマインデ連合は、付加税を土地の物的特徴に従って段階づけ、とくに建物のない土地に予め負担を課す権限を有する。

A付加税は、州、ゲマインデおよびゲマインデ連合をまとめて、納税義務の価値の2%を超えてはならない。そのうちの最高で半分が州に割り当てられる。この最高税率は、土地の税率および事前負担の段階づけの場合においても、超えられてはならない。

B土地取得税法が軽減を予定する限りにおいて、付加税も同じ比率で軽減されなければならない。

C付加税行政については、ライヒ租税と同じ諸規定が適用される。

第5款    売上税

第41条 1919年12月24日の法律(RGBl. S. 2157)に基づく売上税の収入から諸州は10%を得る。

第42条  総額は、諸州に、人口数の比に応じて配分される。配分については、その時々の最近の人口調査(国勢調査)の結果が標準となる。

第43条  @ゲマインデは、売上税法第11条第1項において規定されている納税義務者から支払われる限りで、売上税における、各ゲマインデに割り当てられる収入の5%を、ライヒ割当分から交付を受ける。売上税法第4条、第19条、第20条および第24条に従って認められる補償は、各ゲマインデに割り当てられる収入から、人口数の比に応じて減額される;ライヒ参議院が、このことについて、詳細な規定を公布する。売上税の収入における個々のゲマインデの関与については、ライヒ租税通則法第53条が適用される。

A第1項の規定は、その任務がライヒ全体に広がるライヒの専売行政または矯正経済的企業が支払う売上税に適用する。この種の売上税からは、5%が諸州に、人口に比例して交付される。この交付分(5%)は、州政府によって同じ比に応じてゲマインデに配分され、または州法に応じて他の方法においてゲマインデの利益になるように利用される。いかなる企業がこの規定に含まれるかについて、疑わしき場合にはライヒ参議院が決定を下す。

Bライヒ租税通則法第22条第2項の規定は、維持される。

第6款    配分手続

第44条  州およびゲマインデの割当分が租税収入額への関与において、場所的収入に従って存在する限りで、財務官署は、租税の査定と同時に、租税の租税債権者の割当分への分割を行う。関与する州およびゲマインデは、分割の結果を通知される。複数のゲマインデが割当分を受ける権限を有し、かつ第29条または第30条による決議が存在する場合には、納税義務者も通知を受ける。納税義務者は関与するものとみなされる。

第45条  @租税債権者への割当分の分割は、諸州およびゲマインデにより、公告より3ヶ月以内に、財務官署への異議をもって争われうる。諸州およびゲマインデは、財務官署の証明および書類の閲覧および情報を要求する権限を有する。

A財務官署の異議決定に対して、関与人には、州財務官署への異議が、1ヶ月以内で認められる。州財務官署は、配分計画に関する諸規定にかかわりなく、最終的に決定を下す。

第46条  @複数の州または複数のゲマインデが、場所的収入に関する諸原則に応じて租税収入金額に関与する場合には、査定の権限を有する財務官署が、配分計画を作成し、かつ関与人に報告しなければならない。

A配分計画に対して、関与人には、3ヶ月以内に、財務官署に対する異議をする権限が、そして異議決定に対しては1ヶ月以内に、州財務官署への異議(訴願)をする権限が与えられる。

B州財務官署の決定に対して、さらなる異議がライヒ財政裁判所に対して行われる。ライヒ財政裁判所は、異議手続において決定を下す。

第47条  @租税収入額の分割の際に考慮されなかった州およびゲマインデは、査定の権限を有する財務官署に、配分計画の作成を申し立てることができる。申請が許される場合には、その他の関与する州およびゲマインデ相互の割当分比率は、それが既に確定力をもっている限りにおいて、この配分について標準であり続ける。申立の拒絶は、第46条にいう異議決定とみなす。

A租税に対する査定が不可争となった時点より一年の経過の後、割当分の交付への新たな請求は、もはや提起されえない。

第48条  配分行政庁は、割当分の変更を為す前に、割当分が変更によって影響を受けるあらゆる関与人の意見を聴くものとする。そのほかにおいては、ライヒ租税通則法の規定が、とりわけ、鑑定の情報、閲覧供与および実行(Erstattung)の義務づけに関して、準用される。

第49条  場所的収入に応じて算出されない諸州の租税割当分は、ライヒ大蔵大臣によって確定される。ライヒ大蔵大臣と州政府との間の意思の相違がある場合には、ライヒ参議院が決定を下す。

第50条  場所的収入に基づかないゲマインデの割当分請求に関しては、州行政庁が決定を下す。

第51条  ライヒの財源(Reichsmittel)からの割当分の補充への申請(申立)は、ライヒ大蔵大臣の決定に服する。ライヒ大蔵大臣と州政府との間に意思の相違がある場合には、ライヒ参議院が決定を下す。

第3章    負担配分(Lastenverteilung

第52条  ライヒが州またはゲマインデ(ゲマインデ連合)に新たな任務を当てる場合には、費用に対するライヒの関与が法律によって規律されるものとする。

第53条  個々の州またはゲマインデ(ゲマインデ連合)に、条約、法律またはライヒの行政措置によって特別の費用が生ずる場合には、ライヒは、費用を引き受け、または適切な補助金を給付する。

第54条  州またはゲマインデ(ゲマインデ連合)が、文化的領域、経済敵領域または社会的領域において事業(企業)を営み、その意義が、全ライヒ領域またはライヒの比較的大きな領域に、州の境界を越えて伸張する場合には、ライヒは、費用のために必要な場合には、補助金を給付し、または事業を、州およびゲマインデ(ゲマインデ連合)の同意を得て引き継ぐ。同じことは、州が固有の収入源を完全に利用し尽くしても費用を負担する能力のないその他の施設についても妥当する。

第55条  州は、1921年4月1日までに、ゲマインデおよびゲマインデ連合の下での、とくに救貧負担、学校負担、警察負担の領域において負担調整を配慮する義務を負う。

第4章    経過規定および終結規定

第56条  @ライヒは、各州に対し、所得税、法人税、資本収益税および相続税によって捕捉される、州およびそのゲマインデ(ゲマインデ連合)からの租税の収入を、従来の額において保障する。

A所得税での割当分は、少なくとも、所得税、法人税および資本収益税によって捕捉される州およびゲマインデ(ゲマインデ連合)の租税での1919年租税年度収入に、25%の上昇を加算して、到達していなければならない。1920年3月10日以降、州およびゲマインデ(ゲマインデ連合)によって決議される租税の高さにおける変更は、評価に加えない。特別な校正の理由が存在する場合には、ライヒ大蔵大臣は、(事)後の上昇を考慮に入れることを得る。

B1919年の租税年度に州およびゲマインデ連合の義務となっている任務をライヒが受け継ぎ、または新たな任務を州またはゲマインデ(ゲマインデ連合)を委ねる限りで、保障される金額の相応な変更がなされる。そのことは、戦争開始以来生じた、州およびゲマインデ(ゲマインデ連合)の収益事業における不足額または過少収入(Mindereinnahmen)で、上記の間に所得税の上昇により調整されなければならないものが再び廃止される限りで、妥当する。

Cこれまで個々の州において一般的であった任務が、独立のGutsbezirk(ゲマインデに属しない地区のこと)または類似のもの(Gebilden)の存在によって、直接的に私人によって履行される限りで、このことは、前記各条項の適用に際して、公正な方法において、考慮されなければならない。

D相続税での割当分は、少なくとも、1912年から1916年までの租税年度の平均において相続税によって捕捉される租税で、州によって得られた収入に達していなければならない。

Eこれまで所得税、法人税、資本収益税および相続税によって捕捉された、州およびゲマインデ(ゲマインデ連合)の租税での収入は、合算されて、所得税での割当分と相続税での割当分と対置される。この割当分には、1919年租税年度における交付金を超える限りで、売上税からの交付金が算入される。

第57条  第56条の諸原則は、1921年4月1日まで、諸州とゲマインデとの関係の規律に際して、州の立法に意味通りに適用される。

第58条  @第17条ないし第43条に基づいて一州に交付される、保障されるべき最少額が、一会計年度において到達しない場合には、州はライヒ大蔵大臣に割当分の補充を申請しなければならない。

A合意が成立しない場合には、ライヒ参議院が州の申請について決定を下す。

第59条  @ライヒは、従来、諸州およびゲマインデ(ゲマインデ連合)によってなされた支出がライヒによって行われていない限りにおいて、その支出につき、以下のものを引き継ぐ。

  一  諸州、給付団体(Lieferungsverbande)またはゲマインデにより、1888年2月28日の法律(RGBl. S. 59)および1914年8月4日(RGBl. S. 332)ならびに1917年11月2日の連邦参議院命令(RGBl. S. 985)および1918年9月28日の連邦参議院命令(RGBl. S. 1223)に基づいて算定される家族援助(Familienunterstutzungen)の最低割合。

  二  家族援助(第1号)の支払いをなすための資金を調達するために費消された利息(Zinsen)、割引額(Diskontberage)および費用。

  三  利息、割引額および費用と並んで、諸州、給付団体およびゲマインデによって家族援助の最低率のために支払われる特別手当。

  四  その他の、戦時福祉事業領域におけるゲマインデ、ゲマインデ連合および諸州の費消。但し、利息、割引額および費用と並んで、その費消が従来助成可能であると認められてきたものに限る。

  五  諸州によって調達補助(金)(Beschaffungsbeihilfen)として、教師を含む官吏のためになされる支払い。但し、この支払いが、ライヒによってライヒ官吏(公務員)のために1919年8月26日の下で承認された調達補助(金)の額(率)に相応する場合に限る。諸州は、この調達補助(金)に他の物価上昇手当を算入することを得る。但し、その調達補助(金)の全額が、ライヒの諸原則の適用に際して調達補助を超えて支払われるかもしれない総額の後に残る場合に限る。

A第1項第2号ないし第4号に該当する場合において、利息、割引額および費用は、それらが費消される額の4.5%を限度として補われる。

Bライヒは、前期各条項により生ずる諸義務を、その時々の金融市場の状況によってこの方法でより有利な借入(公債)条件が得られる限りで、諸州およびゲマインデ(ゲマインデ連合)に、ライヒの会計のために公債(借入)を請求権の高さまで起こすことを受験することによっても果たしうる。←ゲマインデや州にライヒ公債を引き受けさせる。

C諸州およびゲマインデ(ゲマインデ連合)によって、ライヒの会計のために取り決める利息条件およびその他の借入(公債)条件は、ライヒ大蔵大臣の同意を必要とする。ライヒの義務であるこれら借入(公債)の償却は、蓄えられた利子に加えて毎年少なくとも1%に達するものとする。

Dライヒ大蔵大臣と州政府との間に合意が成立しない場合には、ライヒ参議院が決定を下す。

Eライヒによって第1項第3号ないし第5号に応じて引き継がれた年利子は、各州に保障されるライヒ租税での割当分(第56条)へ、各州を考慮に入れる。

第60条  ライヒ大蔵大臣およびライヒ大蔵大臣の委任を受けるライヒ行政庁は、州連合およびゲマインデ連合に、州租税およびゲマインデ租税に関する情報を求め、ならびに、負担調整のために予算案および年度会計の閲覧を要求する権限を有する。

第61条  この法律において予定されている、ライヒ租税の収入での州およびゲマインデの関与のための基準は、1920年、1921年、1922年の各会計年度について妥当する。1923年4月1日以前に新たな法律による規律が成立しない場合には、この法律の諸規定は法律が改正されるまで効力を有する。

第62条  @1919年9月10日の相続税法(RGBl. S. 1543)の第69条および第71条の規定は、1919年9月1日から、この法律の第34条ないし第36条の規定により、効力を補われる。

A1919年9月12日の土地取得税法(RGBl. S. 1617)の第32条ないし第34条の規定は、効力をもって、1919年10月1日より、この法律の第37条ないし第40条の規定により、補われる。

Bこの法律が諸州およびゲマインデ(ゲマインデ連合)に、付加税の徴収のための権限を保障する限りで、その利用は、遡及効をもって、1919年10月1日よりなされうる。1920年10月1日以降は、付加税の徴収には、もはや遡及効は与えられない。

C1909年3月22日の二重租税法(RGBl. S. 332)、1918年7月26日のライヒ財政裁判所設置に関する法律(RGBl. S. 959)の第14条は、廃止される。

D1918年7月26日のブランデー専売に関する法律(RGBl. S. 887)の第259条第1項は、19200年4月1日から効力を失う。

第63条  この法律のための執行規定は、ライヒ参議院の同意を得て、ライヒ大蔵大臣が公布する。

第64条  この法律は、所得税法と同時に効力を発する。

〔署名などは略す。この時の大蔵大臣はWirth。〕

 

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