行政法小演習室・その8

 

大東文化大学法学部・行政法1(2008年6月12日出題、6月19日締切)・国学院大学法学部・行政法T(2008年6月6日出題、6月13日締切)共通問題

 

1.(担当者作成)

  憲法第73条第6号、内閣法第11条、内閣府設置法第7条、および国家行政組織法第12条を参照し、次の問いに答えなさい。

  (1)政令、内閣府令、省令のそれぞれについて、発令権者が誰であるかを記しなさい。

  (2)政令、内閣府令、省令のそれぞれについて、発令の際の制約を規定する条文を見つけ、●●法第▲▲条第■■項と答えた上で、その規定を正確に書き写しなさい。

 

2.(2005年度法学検定試験3級行政コース。設問形式を改めた)

  (1)行政立法に関する以下の記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。

  @法律Aは、その適用対象の具体的な範囲については政令で定めることにしている。その政令は、執行命令に該当する。

  A国の行政機関による行政立法で憲法に規定があるのは、政令だけである。

  B法令の規定により、法規を補充するような定めが告示でなされるときは、その告示は行政立法に似た性格を帯びる。

  Cいわゆる営造物規則は、特定の行政機関における内部的関係の定めであり、行政立法の一種である。

  (2)上で解答した選択肢の誤っている部分を正しいものに直しなさい。なお、解答の際には、上の選択肢の記述を利用すること。

 

3.(2005年度法学検定試験3級行政コース。設問形式を改めた)

  (1)告示に関する以下の記述のうち、誤っているものを1つ選びなさい。

  @告示とは、行政機関がある事項を一般に公示する方式のことである。

  A告示は、国の行政機関が行うことはできるが、地方公共団体の行政機関が行うことはできない。

  B法令の委任を受けて告示の形式で法規を補充するような定めがなされることもあり、その場合の告示は行政立法に似た性格を帯びる。

  C告示のなかにはすでに生じた事実を公に知らせるだけのものもあるが、その場合の告示は行政立法的な性格を有しない。

  (2)上で解答した選択肢の誤っている部分を正しいものに直しなさい。なお、解答の際には、上の選択肢の記述を利用すること。

 

4.(2004年東京都)

  法規命令又は行政規則に関する記述として、妥当なのはどれか。

  〔注意:この種の設問形式の常として、1つだけ妥当なものを選ぶこと。2つ以上選んだ場合には誤答として扱う。以下の設問についても同じ。〕

  @現行憲法では、法規命令として、法律を実施するための執行命令、法律の委任に基づく委任命令のほか、行政機関が法律に基づくことなく独自の立場で制定する独立命令が認められている。

  A法規命令が有効に成立するためには、その主体、内容及び形式について、法の定める要件に合致していなければならないが、公布はその要件とされていない。

  B執行命令を制定するには、法律の一般的な授権だけでは足りず、法律の個別具体的な授権が必要である。

  C行政規則は、告示、訓令、通達のうちいずれの形式により発しなければならず、他の形式で発することはできない。

  D最高裁判所は、墓地・埋葬等に関する通達の法的効力が争われた事件で、通達は原則として法規の性質を持つものではなく、国民は通達の取消訴訟を提起することはできないと判示した。

 

5.(国税専門官1996年)

  行政立法に関する次の記述のうち、妥当なのはどれか。

  @執行命令は委任命令と異なり、権利義務の内容を新たに定立するものではなく、具体的な法律の根拠も必要でないとされていることから、法規としての性質を有しない。

  A法令の解釈基準として上級行政機関から発せられた通達は、下級行政機関を拘束するものであり、通達に示された解釈に従ってなされた行政処分の適法性の判断にあたっては、裁判所は当該通達の内容を考慮する必要がある。

  B通達は原則として法規の性質を持つものではないが、通達の内容が国民の権利義務に重大なかかわりをもつようなものである場合には、その法規制が認められる余地があるとするのが判例である。

  C監獄法は被勾留者の外部の者との接見を原則として許し、例外的に合理的な制限を認めているにすぎず、同法の委任を受けた監獄法施行規則が原則として幼年者との接見を許さないとしたのは、その委任の範囲を超え無効であるとするのが判例である。

  D学校教育法施行規則に基づいて作成される学習指導要領は、教育における機会均等の確保の全国的な一定水準の維持の目的のために必要かつ合理的と認められる大綱的基準にすぎず、法規としての性質を有しないとするのが判例である。

 

6.(特別区1999年)

  行政法学上の行政規則についての記述で妥当なものを選べ。

  @行政規則は地方公共団体の長が、法律上定められた長の専決事項について定めたものである。

  A行政規則は国民の権利や義務に対し直接法的影響を及ぼすもので、その制定に関し法律の授権を必要とする。

  B行政規則は法条の形式に定められた告示、訓令および指令のことで、それぞれ公示しなければ効力を得ない。

  C政令は行政規則に属するもので、国会の制定する法を法律とよぶのに対し、行政権の定立するものの総称をよぶ。

  D通達は行政規則に属するもので、行政機関が通達に反する行為を行っても、それだけで直ちに違法・無効ということにはならない。

 

問題の解説など

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