サテライト日田(別府競輪場の場外車券売場)建設問題・第21編

 

 劇的とも言いうる2月8日の別府市議会臨時会における議決から一週間が経ちました。今は小康状態という状況ですが、別府市議会に動きがありましたので、取り上げます。今回は、大分合同新聞2001年2月15日付朝刊5面の記事によります。

 第20編において、議会与党である自民党議員団の中から3氏が、サテライト日田設置関連補正予算案に反対したことに触れました。自民党議員団の要請を受ける形で、2月14日、この3氏は離党届を提出し、新会派「無所属クラブ」を結成しました。この会派は、別府市政に対して是々非々の態度で臨むという意思を表明しております。

 これにより、別府市議会の議員構成は次の通りとなります。

 自民党議員団:12

 公明党:4

 社会民主クラブ:4

 無所属クラブ:3

 市民の声:3

 日本共産党議員団:3

 行財政改革クラブ:1

 自由市民クラブ:1

 無所属クラブを結成したのは、村田政弘氏、朝倉斉氏、そして江藤勝彦氏です。自民党議員団所属時、村田氏は筆頭副会長(会長代行)を、朝倉氏は幹事長を、そして江藤氏は政調会長を務めておりました。これらの職に関する新人事は報じられておりませんが、3氏の脱退は、今後、市政に少なからぬ影響を与えるものと考えられます。少なくとも、サテライト日田建設問題について、仮に設置関連補正予算案が再提出されたとしても、議会における可決は、よほどのことがない限り、ありえないことになりそうです。

 日本経済新聞2001年2月14日付朝刊西12版39面に、中津市が競馬事業から撤退する意向であるという記事が掲載されました。それによれば、2月13日に行われた中津競馬組合(大分県と中津市が運営)の議員協議会の席上、同組合の管理者でもある中津市長の鈴木一郎氏が、中津競馬(地方競馬)の開催を6月に廃止する意向を表明したとのことです。既に、農林水産省や大分県などの関係機関には、廃止の方向で調整することも伝えられております。累積赤字が20億円を超えており、黒字化の目途も立っていません。実は、少し前から噂になっていたことでした。

 以前であれば、公営競技事業の収益が一般会計を助けていたのですが(公営競技事業は特別会計とされております)、最近は一般会計から公営競技事業への補填が行われる場合が多くなっております。公営競技事業の時代は終わったのでしょうか。公営競技事業が赤字に転落しているという例は、中津市に留まりません。

 私は、2月11日、福岡へ行きました。天神で洋書を買い、しばらく街を歩いた後、西鉄天神大牟田線の特急電車と甘木線のワンマン電車を乗り継いで「卑弥呼の里」甘木へ行きました。西鉄甘木線と甘木鉄道(旧国鉄甘木線)の駅がある割には寂れている甘木の市街地を歩き、甘木鉄道のレールバスに乗ったとき、佐賀競馬のポスターを目にしました。甘木鉄道の起点でもある鹿児島本線基山駅にも同じポスターがありました。中央競馬と地方競馬の交流レースの開催を予告したものです。昨年、鳥栖市の外れのほうにある佐賀競馬場のそばを通ったことがあります。その時は開催日であったのですが、周辺道路が多少混んだ程度で、駐車場にもかなりの空きがありました。ポスターを見て、その時の記憶がよみがえり、サテライト日田問題のことと中津競馬の累積赤字問題も頭の中をよぎっていました。

 

(2001年2月16日)

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