サテライト日田(別府競輪場の場外車券売場)建設問題・第23編

 

 3月議会が、日田市、別府市の双方において行われております。サテライト日田問題がどのように展開するのか、注目を集める中での議会なのですが、今、別府市議会が紛糾しているようです。この模様は、大分合同新聞2001年3月7日付朝刊5面に掲載されております。一方、3月8日、日田市議会において、大石市長は、21日にも経済産業省を相手取った設置許可無効等確認訴訟を提起する旨を表明しました。また、別府市および 溝江建設との話し合いも予定されていたようですが、別府市および溝江建設が、日程的に26日以降でなければ調整がつかないとのことです。おそらく、そのために、3月21日に提訴という結論になったのではないかと思われます。

 3月6日の別府市議会本会議は、議会運営委員会委員の人事をめぐって紛糾しました。このため、自然散会となり、別府市の平成13年度予算案も上程されておりません。このままの状態が続くのか、行方はわかりません。 

 2月8日の別府市議会臨時会において、サテライト日田設置関連補正予算案は否決されました。この時、与党会派である自民党議員団は賛成の立場を採っていたのですが、3名の議員が反対に回り、否決されたのです。このことから、3名が自民党議員団を脱退し、新会派を結成しました。このことについては、第20編および第21編において触れました。 この臨時会のことが原因となっているのかどうかは不明ですが、自民党議員団(13名になっています)は、会派を「自民党議員団」(5名)、「自民党議員団第二クラブ」(5名)および「自民党議員団第三クラブ」(2名)に分け、さらに1名が一人会派である「行財政改革クラブ」に合流するという内容の会派届を提出しました。別府市議会には、2名以上から構成される会派から委員を選ぶという規定があるようで、この方法によれば、議会運営委員会における委員の構成上、与党が優位になる訳です。実際、自民党系の諸会派および行財政改革クラブから6名、他会派から5名の委員が指名されております。このことにより、サテライト日田問題について、別府市議会としても推進の立場を強めようとしたものとも考えられます(早速、「ひたの掲示板」に批判が書かれておりました)。 

 しかし、こうした新会派結成の動きが事前に知らされていなかったため、当然ながら、他会派から猛烈な反発が浴びせられ、事態は三ケ尻正友議長に対する不信任動議が出される寸前まで進展しました。結局、この動議提出は認められず、話し合いもつかないまま自然散会となり、自民党系諸会派の委員6名が出席して委員会を開き、委員長を選任しました。 このようなことが認められるのか否か、手許に資料がないため、判断を差し控えておきます。別府市議会事務局は、今回の委員指名選任について、条例上問題はないとしております。

 一方、大分合同新聞2001年3月8日付朝刊朝F版21面は、昨年12月9日に行われたサテライト日田設置反対のデモ行進にも参加した別府市の市民団体「サテライト日田設置を強行する別府市長に腹が立つ会」が3月7日に別府市役所を訪れ、設置計画の断念および日田市への謝罪を申し入れました。しかし、別府市の対応はこれまでと全く変わっておりません。

 このまま、サテライト日田問題は続くのでしょうか。平成12年度もあと少しで終わります。 

 ここで、方向を転換いたします。

 私は、3月2日、或る用件があって日田市へ参りました。日田市役所でサテライト日田問題についてのお話も伺ったのですが、現段階ではここに記すことができません。 ただ、市役所に置かれていた「サテライト日田設置反対女性ネットワーク」による「サテライト日田設置反対」のビラと、「タウン情報Hita」第232号のことについては、ここに記しておきたいと思います。

 まず、「サテライト日田設置反対」のビラです。作成された日時は書かれてはおりませんが、2月5日に配布されたものです(第20編も参照して下さい。また、このビラは、第18編において触れた「チラシ」のことではないかと思われます)。そのビラに書かれていたことを、一部ですが引用しておきます。 

 「全国のサテライト設置反対運動をしているところでも、住民の心からの反対の声が、撤回の大きな力となっています。/今や、サテライト設置に関するトラブルは、全国的な社会問題なのです。私達のところへも各地の設置反対団体から多くのメッセージが届いています。日本中の場外車券売場に反対する方々から、今日田は注目されているのです。市長、市議会、市民が一体となっての反対表明は全国一箇所だけです。」(/は原文における改行箇所。なお、原文には太字の強調箇所がありますが、引用に際して省略しました) 

 次に、「タウン情報Hita」第232号です。発行日は2001年2月18日となっております。その6面「フリートークコーナー」において、テーマがサテライト日田問題とされていました。私は、市役所内で読み、持ち帰りました。賛否両論が寄せられていました。また、パチンコ屋があるのに何故サテライト日田はだめなのかという意見もありました。

 日田市民の中でも賛否両論がある訳ですが、そのほうが健全です。また、パチンコ屋はどうなのかという問題も、たしかに存在します。しかし、川崎市出身の私からみれば、パチンコ屋と場外車券売場(より一般化すれば場外券売場)とは、少々性質が違うと思われます。また、設置基準も異なるのです。渋谷、新宿、浅草の場外馬券売場のそばを何度も通っていますが(私は競輪や競馬などで遊んだことがありません)、競馬開催日ともなると、付近の道路は渋滞しますし、時間帯によっては駅から場外馬券売場までの道路に多くの人が列をなします。

 日田市の場合、現地を2度訪れた経験から考えると、国道386号線の渋滞が予想されます。サテライト日田設置予定地の駐車場は、現在でも車の数が多いと思われます。実際、昨年12月3日に現地を訪れた際、私は、駐車の場所を探すのに苦労しました(なお、第6編も参照して下さい)。 

 現在の私の立場は、読売新聞2001年2月24日付朝刊36面(大分地域ニュース)に掲載された寄稿文に示した通りです(第22編に全文を掲載しております)。まず、この問題については、公営競技それ自体の是非ではなく、まちづくり・地域づくりに関わる事柄であるということを認識しなければなりません。そして、実質的な当事者である市町村の対応が問われているのです。寄稿文の末尾は、その点を示したつもりです。 なお、上記寄稿文について、日田市の方々からは御意見をいただきましたが、別府市の方々からはまだいただいておりません。真摯な御意見を賜りたいと存じます。

 

(2001年3月9日)

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